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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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さくら女子高校(3)

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汚れたトイレ



女子高校と言えば、それは清潔な学校だろうと誰もが思うはず。
ところがです、たとえば廊下に落ちているチリ紙が有るとしたら、誰も拾わないかもしれません。教師は教育のためと言いながら、生徒に拾わせようとします。生徒は、自分で落としたものでないのに拾う義務はないと思っています。
なにしろ、箒の使い方も知らない生徒が多いのです。
庭掃除で竹箒を使わせれば、水も撒かずに箒を左右に振り回すのですから、埃が立ちます。
確かに掃いた所は箒の目が有り綺麗に見えますが、ごみはどこかに散らばっただけです。 雑巾などはやはり使い慣れていないのか、良く絞らずにびしょびしょのまま机を拭きます。
全部の生徒ではないのですが、義務教育で掃除をやらなかったのかと感じてしまいます。
お嬢様が多いので、家庭では掃除などやらないのかもしれません。
躾もそうです。ミニスカートや茶バツは家庭で確かめてくれたら無くなることですが、共稼ぎで生徒が家を出るのが一番遅い家庭もあるのですからそれも無理な話かもしれません。
山崎が驚いたのはトイレです。
「トイレでたばこ臭いです」
生徒の報告で、女子教員と一緒にトイレに入った。女子トイレに入るのは初めてであった。
確かに煙草の臭いがした。女子教員とともにトイレのドアを開けて調べた。
汚物入れがある。蓋が開いたまま汚物がトイレットペーパーにも包まずに入っている。
さすがに女子教員は蓋を閉めた。
煙草は汚物入れに捨ててあった。山崎はそれを取り出した。
トイレがこれほど汚く使われていることに山崎は幻滅を感じた。
「トイレ汚れていますね」
「あんなものよ。男女共学の学校なら少しは綺麗かな」
「どうして」
「色気かな」
制服を着た生徒は本当に利発に見える。美しく見える。
その美しさや利発さは見えない所には生かされていないのだ。
勉強して一流の大学に行くことだけを教えるだけで良いのだろうかと山崎は思った。