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My Godness~俺の女神~ Ⅱ

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「あ、あなたは―」
 あまりの展開に、声が小刻みに震えた。
 あろうことか、実里の上にのしかかっているのは溝口悠理であった。
 危険な光を放つ瞳がじいっとこちらに向けられている。
「どうして、こんなことを」
 弱々しい声で訊ねてみたが、その理由なら訊かずとも判っていた。
 復讐―だ。恐らく悠理は自分を殺すつもりに違いない。法的には実里は罪を問われなかったけれど、悠理にしてみれば、到底許し難いことだろう。
 いや、むしろ実里が刑事的責任を問われなかったことで、余計に怒りの矛先が向けられたとも考えられる。
 男が身を乗り出し、彼の唇と彼女の唇との距離はわずか数センチとなった。
「哀れっぽい声を出せば、俺がお前を許してやるとでも?」
 彼の囁きには、官能的で危険極まりない響きがこもっていた。怒りを暴発させないようにと努めているようにも見える。
 実里は首を振った。
「生命乞いなんてしません。私を殺したいのなら、殺せば良いでしょう。それで、あなたの気が済むのなら、私は構いません」 
 どうせ生きていても、苦しみがあるだけだ。これからの長い一生を人を撥ねて殺したという意識を持ち続けて生きてゆくのはあまりに辛すぎる。
 実里の言葉に、冷ややかな悠理の口許がほころんだ。
「それはそれは。また何と殊勝なというか潔い心がけだな」
 悠理は少し斜に構えた。
「だが、生憎とあんたを殺すつもりはないんだ」
「―?」
 実里は悠理を不審げに見つめた。
「まっ、長年付き合った恋人がいるんだから、まさか初めてってわけじゃなかろうし」
 冷ややかな氷の微笑が悠理の美しすぎる面を縁取っている。その笑みに満足と怒りが一体化したものを感じ取った。
 悠理は美しい悪魔のような凄艶な笑みを貼りつけ、見下ろす。
「俺の妻と子が味わったように、お前も地獄の苦しみを味わうが良い」
 そこで悠理がふっと押し黙った。
「早妃も赤ん坊も、もうどこにもいない。だが、お前は生きている」
 ふと落ちた呟きに深い苦悩がありありと表れていた。
「殺さないのなら、私をどうするつもり?」
 眼を潰すとか、手足を折るとか?
 よく映画で見かける残酷なシーンが頭をよぎり、実里は小さな顔を絶望の色に染めた。
「考えようによっちゃア、あんたも良い目ができるかもしれないし、俺も役得かもしれない。とにかく、俺はあんたをとことんまで苦しめてやりたいんだ。傷物にされた自分の女を見て、あの気取り返った気障野郎がどんな顔をするのかも見物だろうな」
 悠理の眼は見開かれ、その奥にひと筋の興奮が見て取れる。実里は怯えを宿した瞳を瞠り、傷ついた凶暴な獣のような男を震えながら見上げた。
「騒がれたら、困るからな」
 悠理はジーンズのポケットから布きれを出すと、手早く実里の口に押し込んだ。
 突如として男の手が実里のスーツの前にかかった。勢いをつけて左右に引っ張られ、ボタンがはじけ飛ぶ。更に下のシフォンのブラウスも同様に引き裂かれた。
 ブラウスの下は淡いピンクのブラしか付けていない。派手過ぎもせず、縁についた白いレースと真ん中の飾りリボンが清楚なデザインは実里のお気に入りだ。
 実里は死に物狂いで暴れた。時ここに至り、実里も漸く悠理の意図する〝復讐〟なるものの意味が判ったのである。
 悠理は続け様にスカートを引き下ろす。薄手のストッキングはすぐに引き裂かれ、忽ち
ブラとお揃いのパンティが現れた。
「うぅ」
 布を銜えさせられた口から押し殺した呻きが洩れる。
 悠理は頓着せずに腕を伸ばして実里の背中に手を回し、ブラのフォックを外した。まるで虫でも摘んで棄てるかのように、ブラを取り去り、後ろへと放り投げる。
 ヒューと下卑た口笛が聞こえた。
「あんた、結構、良い身体してるな。胸もグラビアアイドル並にでっかいじゃん」
 言いながら、器用に実里の脚から小さなパンティを引き抜いた。
「うーん、こいつは良いや。もう、やりたくなっちまったよ。俺」
 金属音が夜陰に不気味に響き、実里はヒッと恐怖に引きつった声を上げる。
 悠理がジーンズのベルトを外し、既に猛り狂った彼自身を取り出したからだ。
「頂き~」
 いきなり左の乳房の先端を銜えられ、実里は悲鳴を上げた。
「う、あぅ」
 助けを求めたいのに、布を銜えさせられているために声が出せない。舌先で敏感な胸の突起を転がされる。その合間には空いた方の手で右の胸を揉みしだかれた。