水世界
あかんよ
人には 触れたらあかん世界があるんよ
夕闇のかげ
宇宙のおわり
空のやみ
ようさんの ようさんの こわい こわい
こわいもんが
おる
人は 人 でしかあらへん
(けれど、なんにもない ああ こわい)
どっか どっか とおい とおい
ちかい ちかい
とこ
神さんがいてはる
見えへん向こう…
心ん中…
どこにでもおって
どこにもおらへんで
どこか分かれへん
うちは人や
うちは うちでしかあらへんのや
あんたは人や
あんたは あんたでしかあらへんのや
ちゃうもんにはなられへんの
なられへんのに
(心は、望む)
(…ううん、ちゃう、ちゃう…)
(…うちは、ほんまに人?)
世界は簡単に終わる
世界なんてどこにもあらへんの
そやけど、この肉体の この精神の 中で蠢いている
捨て去りたいもんが いっぱい
うち(私)を捨てたい
世界は人の中、どこまでも続いてゆく
人には触れたらあかんもんがあるんよ
それは人の心
こころ
<大阪弁>
あかん:駄目、ようさん:たくさん、おる:いる
〜へん:否定(〜ない)→あらへん:ない、いてへん:いない
どっか:どこか、〜はる:敬語表現
うち:私、ちゃう:違う、ほんま:本当