水世界
欲しい
ああ。罪が欲しい
ああ。罰が欲しい
ああ。傷が欲しい
ああ。くだらないすべて、すべてのくだらないものが欲しい
ああ。壊れたい
ああ。夢を見たい
ああ。痛みが欲しい
ああ。笑いたい
笑え、笑え、笑え、笑え
紅い唇をあげて、白い歯を見せるのだ
それが嘲りだとしても
笑顔しか綺麗なものは知らない
涙しか綺麗なものは知らない
また憎いものも知らない
吐き気がする
人ほど面倒なものは知らない
人ほど嫌いなものもない
人ほど好きなものもない
人ほど愛おしいものはない
それは私が人だから
ああ。欲しい欲しいな。なにもかも欲しい
あれもこれも、綺麗なものも汚いものもどろどろに混ぜて飲みこみたい。そして吐き出して、私もその中に崩れ落ちて笑ってやりたい
どろどろ、だから
おかしくて
そしてやっぱり人が欲しい
そして人はいらない
そして愛が欲しい
そして愛いらない
抉るほどの価値のある傷が欲しいな
できればとってもくだらないやつ
愛になりたい
真っ暗だもの
真っ黒だもの
まっ白も怖いから、逃げられないんだよ
ああ。さようならしたい
ああ。ああ。なにか頂戴。
私になにか頂戴。
なんでもいいや
うつくしくてくだらなくてみにくくてふつうでいみもなくてきたなくてうんざりしてからっぽで
涙がでて涙がでてこぼれてとまらなくて
できれば消えない傷と、痛みと
でも、ううん、なんでもいいよ
ちょうだい。