水世界
夕陽の赤と 影の黒
世界が崩れてゆく 私は落下してゆく
夕陽の赤と 影の黒
目には痛くて
涙がこぼれる
すべてばらばらに散ってゆく
皮膚も存在も心も砕けて、融解して どこにいるのか分からない
赤が怖くて
黒に怯えて
それでも、染まりゆくことを願った
なにもかも崩れてゆく
それは悲しくて
けれどどこか満たされている
はら はら
落ちる
夕陽の影
赤い命 黒い思い
儚い願い
それでいいから
わたしはいない
あなたはいない
どこにもいない
なにも ない
ただ、瞳に映った赤と黒だけが確かな存在で輝いていた