水世界
夢
ああ もう どうにも ならへん
うちの夢は淡く ほんのりとした ぬくもり
微かな ぬくもりだけ
この指さきから こぼれおちる 溶けて もう いない
ぬくもりは まぼろし
ほんの 愚かな 夢や
夢のぬくもり
ぬくもりは ゆめ
ゆめよ あわい あわい
あわい
うちは どこへ ゆくんやろう
命だけが ただ むなしく かなしく かなしい …
(そうなん そう どこへ消えてゆくん?
溶けてゆくん?
生きてゆくん?)
知らへん 知らん 知らん 分からへん
そんなん なんも 分かれへんよ …
うう 夢が あわい くるしい
くるおしい
足先から沈んで どこまでも とけてゆく
嘘やと 分かってるのに
美しいんやと 信じてしまう
この熱は 生きてると 望んでしまう
くるおしい
くるおしい
くるおしい
狂おしい
指さきで 涙に触れた ぬくもり 命 うんざりするすべて
うちの すべて
夢の世界は きっと 壊れる運命
それでも ええんや
人さしゆび に 唇 触れ
涙の味を たしかめた
瞳はただ 憎らしいように 夢の世界を見つめて
ただよう心
ただ ひとつ
うちには なんにも あらへん
けれど、人の心は
綺麗やな
ええんよ ええんよ それで
ええんよ
<大阪弁>
〜へん(否定:〜ない)、うち(私)、〜や(〜だ)
〜ん?(疑問:〜の?)、〜ん(否定:〜ない)、
そんなん(そんなの)、ええ(良い)
語尾が「や」、「の」が「ん」になります。