水世界
幸せ
幸せな人なんてこの世にいるのだろうか
眩しい光の中で笑って
その笑顔に何の陰りもない人なんているのだろうか
眩しい光が欲しい
光って 光って なにも見えないくらい
眩しくて涙がこぼれてゆくよ
どうして この瞳は光を見ると涙がこぼれるのだろう
脆弱だからか
痛いのかもしれない
瞳がよろこんでいるのか
かなしんでいるのか
まぶしい とろり しずく
ひかり
生きた指先で
痛みにすこし触れて
そして思い出す
あたたかな光のことを
どうして悲しくなると涙がこぼれるのだろう
光があたたかいことを思い出すのだろう
そっと モノクロの世界の中で
確かな存在だけを求めて 瞳がただよう
白と黒は心を苛み
明るい光の待つ方だけを願う
そして光を嫌い 静かな闇を望む
いつだって矛盾している
眩しい光
眩しいだけの光
心を貫いて壊してしまうほどの光
それでかまわない
欲しい
瞬きをして
鋭い瞳