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野琴 海生奈
野琴 海生奈
novelistID. 233
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~双晶麗月~ 【その5】完

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◆Epilogue(エピローグ)◆


 あれから何日経っただろう。すでに夏休みも終わり、2学期が始まっていた。
 海を見ながら下る坂道は、所々赤く染める街路樹が並ぶ。

「よぅ!」
 いつものように後ろから雄吾が声をかけてくる。
「おはよ。今日も元気そうだね」
「おぅっ!あったりめぇだ。お前もいい加減元気になれって!」
 そう言って雄吾は私の頭をポンと叩く。

 ミシェルが施してくれた術のおかげで、雄吾は傷もすぐに消えた。今までの記憶を消すとも言われたが、雄吾が断固拒否してくれたおかげ…というのか、私たちはあの時のことを今も忘れずにいる。
 それでも私たちはいつも通りに学校に通う。そして私はいつも通りの海を、教室の窓から眺める。

「今頃どうしてるんだろうなぁ…」
 そう言ってため息ばかり出る。
「お前なァ、元気でいるに決まってんだろ?アイツがどうにかなってるとでも思ってんのかァ?」
「そんなのわかんないじゃん」
「なんかありゃ絶対連絡来るだろ?」
「どうやってだよ」
「そりゃぁ〜まぁ〜『ちちんぷいぷい』でだろ?ハハッ」
「そんなのあるわけないじゃん」


 私はミシェルから最後にもらった小瓶と黒い羽根を、そのままの状態で持っている。
 これを融合させてしまったらどうなるのか……

「あん?何持ってんだ?」
 雄吾はすかさず私から取り上げた。
「ばか!何すんだよ!」
 私は慌てて取り返す。
「ははぁ〜ん、それフヴェルの水じゃねぇの〜?」
「え…!そうなの?」
「あぁ。だってオレも飲んだもん」
「えぇっ!飲んだっけ?で、どうなったんだよ?旨いの?まずいの?」
「ん〜…まぁフツーの水だな、こりゃ」
「なんだよ?ビビらせんなって」