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出張こぼれ話

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出張の帰り、飛行機に乗った時の事です。

窓から3席並びの真ん中の席でした。
私が一番先にその列に到着しました。

シートベルトを締め、新聞を読んでおりました。
若い女の人が来て、窓側に座りました。
続いて、サラリーマン風の人が来て、通路側に座りました。

若い女の人とサラリーマン風の人は、何やらごそごそやっています。

「おちつかんなぁ、飛行機のったことないの? あんた達。」

と思いながら、新聞の活字を目で追っていると、
隣の若い女の人が、「ツンツン」と、私の腕をつつきます。

「なんでしょうか?」

と気取って言うと、その女の人は、

「あのー、そのシートベルト、半分私のです。」

と、のたまいました。

「えっ?」

よーく見ると、私は、自分のシートベルトを尻の下に敷き、
左右のシートベルトの片方ずつを使って閉めていたのでした。

まだ、ごそごそと探しているサラリーマン風の人に、

「ごめんなさい、貴方の半分使っていました。」

と言い、お返ししました。

窓の外の景色を見る振りをして、肩を震わしている若い女の人と、
むっとした顔で新聞を読み始めたサラリーマン風の男の人の間に挟まれて、
変な汗を掻きながら小さくなって1時間20分を過ごした私でした。

・・・・気を付けなはれや!!



作品名:出張こぼれ話 作家名:ohmysky