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出張こぼれ話

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出張先で徹夜し、その足で飛行機に乗った時のことです。

席に座った途端、迫り来る睡魔に勝てず、爆睡しておりました。

・・・どの位眠ったか、耳元で
「お客様、お客様」と囁く、女の人の声が聞こえます。

目を開けると、CA(キャビンアテンダント)が心配そうな
顔をして、「大丈夫ですか?」と話かけるので、

(変だなぁ・・せっかく気持ち良く寝ていたのに。)

と思いながらも、「大丈夫です。」と答えました。


2週間後、別の仕事で出張に向かうため、飛行機に乗りました。
朝の早い飛行機だったので、少し寝て行こうと、うとうとし始めた時、

「グオー、グオー」

という凄まじいイビキが私の斜め前方の席から聞こえて来ました。
それはもう、うるさくって眠れたものではありません。

堪りかねた隣の席の人がCAコールボタンを押しました。
やってきたCAは慣れた様子で、イビキその主に向かい、囁き始めました。

「お客様、お客様」

イビキが止み、目を覚ました「お客様」にCAは、先ほどとは打って代わった
心配そうな顔を作り、

「だいじょうぶですか。」と、のたまいました。

・・・・・この展開って・・・デジャヴかな?

いやいや、2週間前、「大丈夫ですか」と起こされた意味がこの時やっと
分かりました。

あの時、周りに座っていらっしゃった方々、その節は大変ご迷惑をおかけ
しました。

しかし、CAも「イビキうるさいですよ」とはさすがに言えなんだ。


作品名:出張こぼれ話 作家名:ohmysky