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出張こぼれ話

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昨日の出張の帰り、飛行機で私は通路側、サラリーマン風のおじさんが窓側に
座りました。
日帰り出張でクタクタの私は、座るや否や、早速爆睡モードに入りました。

(ん?)

隣のおじさんが私の耳元でなにやら囁いています。

(トイレかな?)

トイレに行きたくて、「ちょっと、すいません」と言っているのだと思い、
目を開けおじさんの方を見ると、彼は一心不乱に何かの本を読んでいるのです。

(あれー? 気のせいかな?)

気を取り直して、再び爆睡モード。

「ひそひそ、ぶつぶつ・・・」

何を言っているのかは分かりませんが、確かにおじさんの方から声が聞こえます。
薄目を開けて、彼のほうをじーっと観察すると、おじさん、本に夢中になり、
時折独り言をつぶやいているのです。

体を私の方によじり、ちょうど私の耳元で囁くように独り言を言うのですから、
寝ているこっちは気になって仕方がありません。

うとうとし始めると、「ボソボソ」と耳元で始めるのでびっくりして目が覚めて
しまいます。

これには正直参りました。

たまらず、CAを呼び、枕をもらって片耳をふさぎ、毛布をかぶってつぶやき
が聞こえないようにして、眠りにつきました。

しばらくすると、私の肩をポンポンと叩くのに気づき、毛布から顔を出すと、
目の前にあのおじさんの顔が・・・・

なんと熟睡した私は、よりによって、そのおじさんの肩に頭を乗せて爆睡して
いたのでした。

おじさんは迷惑そうに、「すいません、困るんですけど・・」とのたまいました。

「ど、どうもすみません。」

あわてて、そう言ったものの・・・

元はといえばオメーのせいだろーが!!

「困るんですけど」の先制攻撃を受けてしまいました。

・・・先に言っときゃ良かった!!

作品名:出張こぼれ話 作家名:ohmysky