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アジアへGo!

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往路は、上海から長沙までを飛行機で移動して、長沙から新幹線に乗って
衡陽まで行こうと切符売り場の調査の列に並び、やっと窓口に着いたら、
全席完売で、在来線も超満員で乗る事ができず、やむなく白タクの運ちゃん
と交渉して、700元(約9000円)で衡陽のホテルまで運んでもらう事に
しました。

英語も通じないので、全て筆談での交渉です。
高速をひた走ること2時間半で衡陽のインターに到着しました。
真っ暗闇の路肩に車を止め、いきなり、車のドアを開け、降りろ
というジェスチャー。トランクを開けて荷物を勝手に下ろし始めたのです。
インターを出たばかりで、市内のホテルまではまだ相当距離が
あるはずです。

こちらは、ちょっといかつい感じの若い同僚と2人だったので、
ちょっと強気になれました。

「何をするねん。」

日本語で説明を求めて詰め寄ると、暗闇のなかから屈強な3人の男達が出てきた
のです。

(ひぇ〜! や、やられる)

その男達に取り囲まれ、心が折れそうになっていると、
近くにあった、ボロボロの車のトランクに男達は我々の荷物を入れ始めたのです。

持っていかれそうになる自分のバッグを必死に手で掴んで、睨みを効かせながら、
若い同僚の方に目をやると、彼は完全に心が折れて、
なすがままになっていました。

(こ、こいつ、見かけ倒しじゃん・・・)

とにかくジェスチャーと筆談で状況を飲み込もうと必死で交渉を続けるうち、
状況が飲み込めてきました。

最初に乗ったタクシーの運ちゃんは、長沙の人なので、衡陽の道をよく知らない
という事。
そこで、市内のタクシー(といっても白タク)に乗り換えていってくれという
事だったのです。

集まってきた屈強な男たちは、全て白タクの運ちゃんだったのでした。(^_^;)
よく見ると真っ暗な路肩には、数台の今にも壊れそうな車が止めてありました。

それで、最初の運ちゃんに700元を渡そうとすると今度は
900元だと言うのです。
だけど、乗るときは確かに700元と紙に書いてもらったのですから、
その紙を見せると彼はそこに、高速代200元と書き足したのでした。

(最初っから言えよ!!)

腹が立ちましたが、しょうがない。900元はらって、領収書をくれと紙に
書きましたが、「めいよーめいよー」(無いです、無いです)と手を振るばかり。
仕方が無いので紙切れに金額と名前を書いてもらって、領収書の代わりとし、
ボロボロの車に乗り込みました。

その間、「何か揉め事があったら、僕に任せてください」
と出発前に息巻いていたヤンキーな感じの若い同僚は何もせずに小さくなって
僕の背後に隠れるように立っていたのでした。

車の中で、事の顛末を彼に説明すると、
「な〜んだ、僕はてっきりどこかに拉致られるのかと思っちゃいました。」
と震える膝を手で一生懸命押さえているのでした。

(おいおい、出発前の君のあの頼もしい発言はどこへ行ってしまったのかね)

やっぱり、海外経験をした事の無い若造と、海千山千のおっちゃんとは年季が
違うんだなぁ。

手書きで書かれた紙切れを見ながら、
(これ、総務で領収書と認めてくれるだろうか)
と思案していると交差点で運ちゃんが道路を横断していた若いねぇちゃんに
声を掛け、どうやら知り合いのようだと思ってみていると、
そのねぇちゃんは我々の車に乗り込んで来たのでした。
当たり前の様に・・・

(乗り合いタクシー? なんでもありだな)

時刻は既に夜中の12時を過ぎていました。
きっと運ちゃん行き付けの飲み屋のねぇちゃんか何かなのでしょう。
たぶん、かなり遠回りしてそのねぇちゃんを送り届けた後、
やっと目的のホテルに到着したのです。

それで、40元の請求。
(ほとんどがねぇちゃんを送った分じゃんか!!)

文句を言ってもしょうがない。
お金をはらって、領収書・・・・ないの〜?
同じ紙切れにまた書いてもらってホテルへチェックイン。

付いた部屋は、どうやら配管が詰まっているらしく、入るとすごい悪臭がして、
どうにもがまんが出来ずにフロントに言って部屋を交換してもらいました。

交換してもらった部屋は最初の部屋よりもとても狭く、隣からは赤ん坊の
泣き声がずっと聞こえます。

すったもんだで、寝床に着いたのは夜中の2時。

朝7時、フロントで若い同僚と落ち合うと、
「いやぁ、広くていい部屋でしたよね。良く寝れましたよ。」
だって。

(ああ、こいつの部屋と替えさせりゃよかった!)


作品名:アジアへGo! 作家名:ohmysky