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アジアへGo!

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今日、韓国からの出張の帰り、前の日の飲み会でちゃんぽんした私は頭痛の頭
を抱えながら、飛行場へとタクシーに乗り込んだのでした。

前の日、夜遅くまでカラオケを付き合ったので、二日酔いと寝不足のため、
気持ち悪いやら眠いやらでそれを必死に耐えていたのでした。
そんな時、運悪くタクシーの運転手さんは、日本語を半年間勉強していて、
いまも一生懸命勉強しているという方で、何かと話かけてくるのでした。

受け答えする度に、頭はガンガンするは、胸には熱いものがこみ上げてくるはで、
試練の30分を過ごしたのでした。

空港に到着し、チェックイン、税関を通り、コーヒーショップへ。
とにかく熱ーいコーヒーを飲んで、この最悪の体調を何とか立て直したかった
のです。

ほっと一息ついた頃、

「キャッキャ、キャッキャ」

と若い娘の楽しそうな歓声が聞こえてきて、治りかけの頭痛を呼び起こしました。
見ると、日本の女子高生の一団がお土産袋を抱えて歩いてくるではありませんか。
今は修学旅行も海外の時代なんですね。
頭を抱えながら、ぜんまい付きのおもちゃのように動き回る女子高生をうらめしく
眺めておりました。

そうこうしているうちに、搭乗時刻になりました。
これでやっと頭痛の種からおさらばして、機内でゆっくりと睡眠がとれると
安堵しました。

しかーし、地獄はこれからだったのです。

私の座った席の隣には若い女の人が座り、その人の腕には小さな赤ちゃんが
眠っていました。

「すみません。子供が泣いてご迷惑をかけるかもしれません。」
そのおかあさんがすまなそうに言いました。

「いえいえ、子供は泣くのが仕事ですからどうぞご遠慮なく」
などと格好つけて言ったはいいですが、
飛行機が離陸を開始してエンジン音が一際大きくなったとたん、
隣に居た天使が怪獣に変わったのでした。

(遠慮なくなどと言いましたが、ぼくちん、ホントに遠慮なしなのね。)

ますますひどくなる頭痛と吐き気に耐えながら、目を硬くつぶり
耳から刺さってくる怪獣の必殺技を受け続けたのでした。

今回は羽田で乗り換えです。
約2時間の連続攻撃にひたすら耐え続け、精も魂も尽き果てて、
魂を奪われた腑抜けのようになって飛行機を降りました。

今度は千歳までの約2時間、今度こそはぐっすり寝させていただこうと、
席をクラスJにアップして搭乗しました。
私の隣に座ったのは老夫婦。
私のすぐ隣に80歳をとうに過ぎたであろうおじいさんと、そのとなりには
ヨーダのようにちっちゃいおばあちゃん。

ああ、これでゆっくり寝れる・・・・・・
意識が朦朧となって行く・・・
おやすみなさいぃぃぃZZzzz

「この安全帯短くて付けれない!!」
「どうすりゃいいんだ?これ」

いきなり肘鉄砲を食らって飛び起きましたが、おじいさんはそんなこと
お構いなしです。
しかも、耳が遠いらしく、ものすごく大きな声でとなりのヨーダのような
おばあちゃんと話をするのです。

大きな声はその後もずっと続き、さらには時折の肘鉄砲攻撃です。

(ああ、ぼくにフォースをください。)

結局、一睡も出来ないまま、キョンシーの様な状態で
家にたどり着いたのでした。めでたし、めでたし?

作品名:アジアへGo! 作家名:ohmysky