アジアへGo!
北朝鮮との国境沿いにある、統一展望台にて、北朝鮮の現状を記録した映画を
見ました。
題名は、「私の娘を100ウォンで買ってください」というものです。
母親が、7歳ぐらいの娘をつれ、道端に札を掲げて立っています。
とてもみすぼらしい姿の母娘です。
その札には、
「私の娘を100ウォンで買ってください」と書いているのでした。
100ウォンといえば、当時のレートで250円という信じられないくらい
安い値段です。
そんなお金すら、この母娘にとっては手の届かない金額なのです。
道行く人は眉をひそめ、
「なんという、鬼のような親か、どんなに貧困でも実の子を売るなど人の
することではない」
と口々にその母親を罵りました。
中には、その母親に石を投げる人もいます。
娘が泣きながら叫びました。
「お母さんのせいじゃない!
私がお母さんに売ってもらうように頼んだの。
お母さんの病気は私を売ったお金で治るんです。
お願いします、お願いします、お母さんを悪く言うのは止めて下さい。
私を、どうか私を買ってください。」
お母さんは娘を抱きしめ、ただ泣いていました。
二人ともげっそりと痩せ細り、もう何日も食べていないような有様です。
次の日の朝、道路の脇に、しっかりと抱き合って、
凍っている母娘の遺体が無造作に転がっていました。
通行人は、「良くある事」と言わんばかりに、
その痛ましい姿に一瞥を送るだけでさっさと通り過ぎてゆくのです。
町には、「コッチェビ」と呼ばれる、両親と死に別れた孤児が溢れ、
飢えにに喘ぎ、冬を越せない子供たちがたくさんいます。
だれに愛情を掛けられることも無く、
さびしく一人で寒さと飢えに震えながら幾日もの夜を過ごし、
そしてさびしく一人で逝くのです。
ある意味、母と共に逝ったあの娘は幸せだったのかもしれません。
・・・こんな国、早く無くなってしまえばいいのに!!