アジアへGo!
今夜の宿泊は、上海(浦東)空港の近くのホテルです。
ホテルの周りには何もありません。
そこで、昨日とまった虹橋賓館まで移動する事にしました。
再度、車で移動する事2時間です。
これからの晩餐の為に、余力を蓄えておく事にしました。
つまりは・・・爆睡。そんなに寝れるものではありませんが・・。
しかし、ぼくちんは良く寝ます。まぁ、寝る子は育つって言いますからね。
すくすくと育って、将来は会社を背負って立ってね。
さあ、虹橋賓館に到着です。チャーターした車とドライバーにお別れをして、
まずは料理店探しです。
とりあえず、フロントに聞けばこの辺の有名処を教えてくれるでしょう。
フロントにいたボーイさんに声を掛けました。
「上海クラブ(蟹)を食べに行きたいんだが・・・」
と切り出しました。するとボーイさんは何を勘違いしたか、
「お客様、当ホテルにはクラブはございません。
確か2,3年前まではあったのですが、今はなくなりました。」
(え?何のこと?あ、そうか、蟹は英語でクラブだけど、
飲み屋さんのクラブと勘違いしているな。)
「いやいや、そのクラブじゃなくって、上海クラブ(蟹)を食べに行きたいんだよ。」
「・・・お客様、申し訳ございません。当ホテルにはクラブはございません。」
(あのねぇ、よーく聞きなさいよ。食べに行きたいのよ。
レストランを探しているの!!)
私の様なおっちゃんが皆、ねーちゃん目当てだと思うなよ!!
そのボーイさんは怪訝な顔で私を見ていましたが、
ふとその目線を私の頭上に移し、急に「分かった!」という顔になり、
「おーわかりました、上海クラブ(蟹)ですね、お客様。
それなら有名で美味しい料理店がございます。」
といいました。
(最初からそう言っとろうが!!)
後ろを振り向くと、ぼくちんが、後ろで私の頭の上からチョキを2つ出して、
「チョキチョキ」やって居たのです。
ボーイさんは私の顔とその上で動くチョキから見事上海蟹を連想したのでした。
(おー、機転が利くじゃないか。でもなんで俺の頭なの?
俺の顔、そんなごつくて、上海蟹みたいかなぁ・・)
釈然としませんでしたが、とりあえず紙に店名と住所、電話番号を書いてもらい、
タクシーを手配してもらいました。
ホテルからタクシーで20分ほど中心街に向かった所にその料理店はありました。
あるホテルの5Fにあるその料理店は、上海蟹の専門店で、
この界隈でも高級な料理店なのだそうです。
(ああ、上海蟹ちゃん。今会いに行くよ!!)
お店に着くと、中国おなじみの丸いテーブルのある個室へ通され、
メニューを渡されました。
さすが、上海蟹の専門店だけあって、料理のほとんどに蟹が入っています。
オーダーしたものは以下(食した順)、
?ビール(バドワイザー)中ジョッキ
?上海蟹とアスパラの炒めもの
?チンゲン菜炒め上海蟹あんかけ
?上海蟹のチャーハン
?上海蟹とフカヒレのスープ
?紹興酒熟成8年物
そして、なんといってもこれ!
?上海蟹の塩茹で
とりあえず、ビールで乾杯し、炒め物、あんかけの順に食して行きました。
蟹の身自体はあまり味のあるものではなかったです。
まぁ、毛蟹の産地で旬の毛蟹を食している私達にとってはちょっと物足りない
風味でありました。
さあ、8年物の紹興酒をグラスに注いでもらい、いよいよ真打の登場です。
目の前に一人1匹ずつの上海蟹ちゃんが・・・・・
茹でたてなので、「あつっ、あつっ」といいながら、甲羅をはずしました。
そこにはオレンジ色に輝く内子が・・・・あれ?
ない、蟹味噌もちょっとだけ・・・
これで1杯3000円? ちょ、ちょっと待ってよ〜!
英語の出来る支配人を呼んで、話を聞きました。
上海蟹の旬は冬、と漠然と思っていたのですが、黄色い内子が入る旬の期間は
10月から12月までの間だと言う事です。
今は養殖物が主流だけど、この店では天然物しか使わないということで、
内子が無くても高いのです。
帰りのエレベータの中でぼくちんが、
「先輩、大したこと無かったですね、毛蟹の方がまだましです。
やっぱり、北京ダックにしておけば良かった・・・」
と呟きました。
(ぼくちんの言うとおり、ちょっとリサーチが足りなかったよ。)
「うん、ごめん。」
「また次がありますよ、先輩。」
落ち込む私を慰めるぼくちんでありました・・・・って、
考えてみりゃ金払ったの俺じゃねーかっ!!
なんで謝ってんの? なんで慰められてんの?
あー、こいつのペースにすっかりはまっちまってる!!
でも、憎めないぼくちん。いい奴です。
(待っててね、上海蟹ちゃん。今度は一番輝いている君にきっと会いに
来るからね。)
と心に誓うおじさんでありました。
画して私達の、上海蟹食べ尽くしオプショナルツアーは幕を閉じたのでした。