ひと☆こと~ラヴストーリィ
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ボクの前のキミはいつも意地悪なんだね。
街を歩く時は、手も繋いでくれない。
駅のチケットだって先に買ってしまう。
まるでボクなんていなくてもいいようじゃないか。
先日の買い物だって、キミには大きな荷物なのに
「これは、私の買い物だから」と大きな袋を抱えてボクとの距離を作る。
隣を歩くボクは、ほんの小さな袋をぶら下げているだけ。
「ボクのこと好きなの?」と聞いたときはいつも「大好き」と答えるのに
「どこが?」と聞くと「んーわかんない」と答える。
「ボクはキミが好きだよ」と言えば「嬉しい」と言うのに
「ずっと一緒に居たい」と言えば「また今度ね」と笑顔で言う。
全くどうなっているんだ。
友だちよりは、恋人と言える彼女なのにこの距離は何だろう。
ボクは、キミの唇の柔らかさを知っているのに……。
作品名:ひと☆こと~ラヴストーリィ 作家名:甜茶