弟は天才児!?
第一章 子供時代
私の初めての記憶は、父方の祖母に預けられた日のこと。
後で話に聞いたが、母は法事でどうしても私たちを見ていられなくて
わずか3歳のふたりを置いて夜中に抜け出したらしい。
母がいないことに気付いて泣きわめく私、美幸と、
隣で平然と積み木で遊ぶ弟の福人。
「双子なのにどうしてこうも違うんだろうねぇ。普通、男の子の方が
甘えん坊さんなんだけど……」
私をあやしながらそう呟く祖母の声が記憶に残っている。
それでも幼稚園卒園までは、少なくとも周囲の扱いに、
たいした違いは無かったように思う。
福人がしっかり者で、私がぼんやりした子という漠然とした扱いの差は
あったけれど。
------卒園時に福人がIQ147の数字をはじき出すまでは。