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おお、我らが彷徨い歩く夜の中を

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 おお、我らが彷徨い歩く夜の中を
 退廃と懊悩、すべての感情逆巻く愚かの時間よ
 きらめかしい喧騒を謳いあげながら
 抱えきれぬほどの夢想、くだくだしい、ぐるぐると

 あの水平線の昏さから
 誰がやってくるのか
 誰を追い立てているのか
 きみには判るかい、解るかい、ねえ

 鼠、雉、狼、猫……獣たち
 喀きだされる息の根に

 おお、いまにこそ

 ふとした音楽のひらめき
 使う値打ちもない時間と言葉が空費され
 彼らはけたたましい笑い声をあげる、

 ああ、ごらん
 螺子の音が あんなにも あんなにも折り重なって朽ちてゆく
 朱く黒くにはがれて落ちた
 生ぬるい不幸せの味わいと
 埋もれる砂の巨大な重量
 打ちつけ引き抜き討ち毀し
 この脳蓋に、滴るほどの絢爛を

 これほどの時代を過ごして来てさえ
 快楽に酩酊する魂は
 明日の証明を欲しがって、その未知数に失望しながら

 おお、我らが彷徨い歩く夜の中を
 退廃と懊悩、すべての情感渦巻く愚かの時間よ
 どうしようもなく散々に奪っておきながら
 誰もが与えていると口を揃える

 我々は投げ捨てられ、
 分解し
 生命の距離さえ持たぬまま
 願いの意味さえ知らぬまま
 無慈悲に、無情に、おお

 我らが彷徨い歩く夜の中を