無題02
きりきりと胸痛む哀切な抑揚で
その日開いた死人の花をついばんでいる
あなたは孤独
空虚の高みに無告であり
そのために人を愛した
ほら、あの憐れなるをご覧、
どこか近くで
私の手は君の美しさの輪郭に触れる
憧れに捉えられ
望みに絞め殺されて
ここには消えもせぬ洩刻の春が在り、
その華やげる息のあとには
もはや目眩にも似た懊悩が叫ぶばかりだ、
ここで!
ここでと
ああ、視よ
冷酷なる太陽が舞いながら落ち
みどりに朽ちて干からびてゆく
かつてこの地に幸福の思い出があるだろうか?
わからない
知るすべもない