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のび太のBIOHAZARD『ENDLESS FEAR』

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AREA7『スティンガーウィルス』


のび太が異形の生物と成り果てた隊員に投げ飛ばされた先は、巌達が待機している建物だった。のび太は、壁に叩き付けられ、その際、壁が脆かった為、壁を破壊しながら建物の中に転がり込んだ。
「のび太君!!?」
建物の中に転がり込んできたのび太を見た聖奈は、そう言いながらのび太に駆け寄ってきた。傍にいた巌と真理奈も駆け寄ってくる。
「おいのび太!何があった!?」
と、巌が言う。すると、真理奈が異変に気が付いた。
「何これ?・・・・・・・・髪の毛?」
のび太の服に付着した、隊員の毛髪を見た真理奈がそう言った。のび太は少しふらついていたが、巌と聖奈と真理奈の3人を見ると、言う。
「詳しい話は後で!早くこっちへ来て!新手の敵が来ました!!」
と、のび太が叫ぶと、のび太はさっきまでいた所まで走った。巌達3人ものび太に続いて走った。少し走ると、隊員の姿と、隊員と対峙しているジャイアンとスネ夫と玲の姿が見えた。
「よかった!まだ皆無事だ!!」
のび太がそう叫んだ。すると、異形の生物となった隊員を見た巌が言う。
「おい、それはいいけどよ、のび太。あの怪物は何だ?」
巌のその言葉を聴いたのび太は応える。
「戦闘ヘリに搭乗していた隊員が、『スティンガーウィルス』とかいうウィルスを投与したら、こうなったんです」
のび太はそう言った。
「『スティンガーウィルス』?何なのそれ?」
と、真理奈が疑問を顕わにした。すると、のび太がそれに自信無さ気に応える。
「僕にもよく解らないんだけど、T-ウィルス感染者のごく一部に現れた、特異遺伝子をウィルス化したものらしい」
のび太がそう言うと、隊員が話す。
「よく解らんか?傑作だな。お前達が潜伏していたホテルの地下で秘密裏にこの研究をしていたというのに」
隊員がそう言うと、ジャイアンが言う。
「俺達の泊まったホテルの地下で研究だと?」
と、ジャイアンが呟く。すると、のび太は思い出した様に言う。
「地下で研究ってあれか!!」
のび太がそう言うと、聖奈がのび太に尋ねる。
「のび太君知ってるの!?」
聖奈の言葉を聴いたのび太は応える。
「ああ、言うのを忘れていたけれど、僕は皆と散開した後、『フローズヴィニルト』と戦闘して、その直後に、錆びた扉を発見したんだ。そして、その奥に入ると、地下に続く階段があって、その奥に『スティンガージーン』研究室を発見したんだ」
のび太がそう言うと、スネ夫が呟く。
「僕達が居たホテルにそんな所があったのか・・・」
スネ夫がそう呟くと、巌が言う。
「民間のホテルの地下でウィルスの研究をしてたかなんてこの際どうでもいい。どちらにしろお前等のやっている事は違法行為だ」
巌はそう言いながら、『S&W M945』を隊員に向けた。すると、隊員は言う。
「だったらどうした?貴様等ごときに『スティンガー』が殺られるとでも?」

「どうやら、嘗めきってるようだな」
と言うと、巌は、隊員に向かって、『S&W M945』を発砲した。しかし、又もや、銃弾はスティンガーの毛髪に止められた。
「!これは!?」
巌が止められた銃弾を見て驚いた。すると、のび太が言う。
「あいつは銃弾を止める事が出来るんです」
のび太のその言葉を聴いた巌は言う。
「銃弾を止めるか・・・。こいつは厄介だな」
巌がそう言うと、真理奈が言う。
「銃弾を止める?じゃあどうやって倒すのよ?」
真理奈がそう言うと、巌が言う。
「とにかく攻撃あるのみだ!全員分かれろ!固まればあいつのいい的だぞ!!」
巌がそう言うと、のび太とスネ夫とジャイアンと玲と巌と聖奈と真理奈の7人全員は、隊員を囲むように陣形をとった。
「何をしても無駄だと言うのに。凡夫とは悲しいな」
隊員がそう言うと、ジャイアンは叫ぶ。
「うるせえ!さっさとぶっ飛ばして終わらせるぜ!!」
ジャイアンはそう言うと、隊員に対し、『粉砕連撃拳』を試みた。
しかし、ジャイアンの拳は悉(ことごと)く、隊員の毛髪に止められた。すると、ジャイアンは、隊員の毛髪を鷲掴みし、ぶん投げた。異形の隊員は、投げ飛ばされ、空中を舞った。するとジャイアンは、太腿(ふともも)のホルスターに掛けてある、『デザートイーグル』を取り出し、3発連続して撃った。一発目は、左足の踵(かかと)付近に当たり、二発目は外れ、三発目は右足の脛(すね)辺りに当たった。そして、異形の隊員は、地面に激突した。しかし、すぐに起き上がってきた。
すると、徐にこちらに歩いて来ながら言う。
「やはり、その程度か。まったく効かんな」
隊員がそう言うと、のび太が言う。
「やっぱりあいつもウィルス兵器。頭を撃ち抜かないと、駄目みたいだ」
のび太がそう言うと、聖奈が言う。
「でも一体どうすればいいの?普通に発砲してもあの髪の毛に止められるのに・・・・・」
と、聖奈が言った。すると、巌も言う。
「あの毛髪をなんとか抑えられればいいんだが・・・・・」
巌がそう言うと、思い付いた様にスネ夫が言う。
「そうだ!音響手榴弾(スタングレネード)!あれでなんとかならないかな!?」
スネ夫のその言葉を聴いた巌は、その言葉に応える。
「音響手榴弾(スタングレネード)か・・・・。試してみる価値はありそうだな」
巌はそう言うと、バックパックから音響手榴弾(スタングレネード)を取り出し、隊員に悟られないように音響手榴弾(スタングレネード)を投げた。
すると、音響手榴弾(スタングレネード)が強烈な音響と、強力な閃光を発すると、隊員の動きが泊まったかの様に見えた。すると、巌は『FNファイブセブン』を連射し、玲は『ベレッタPx4』を連射した。































しかし、隊員の動きは止まったものの、まるで生物の様に動く隊員の毛髪に弾丸が止められた。
「ちっ、音響手榴弾を使っても動きを止められないのか!!」
と、巌が言うと、隊員が喋る。
「・・・・・何を遣ったかと思ったら、スタングレネードか。他愛ないな」
隊員はそう喋ると、巌達に向かって爪を伸ばし、攻撃してきた。巌達は側方に飛び込み前転を行い、それを回避した。すると、のび太が後方を振り向き、全員に呼び掛けた。
「皆、取り敢えず、向こうの建物の陰に隠れましょう」
のび太のその言葉を聴いたジャイアンとスネ夫と聖奈と真理奈と巌と玲は一旦その場を離れ、そして、のび太を含む全員は、建物の陰に隠れた。すると、のび太が巌に喋る。
「今ので解った事があります」
のび太がそう言うと、巌が尋ねる。
「解った事?それは何だ?」
巌はのび太にそう訊いた。
「恐らく、スタングレネードはあの隊員に効かなかった訳では無いと思います」
のび太がそう言うと、真理奈が口を挟む。
「え?でも、髪の毛が動いていたけど?」
真理奈のその言葉を聴いたのび太は、その言葉に応える。
「だけど、接近していたのに、爪による攻撃は行わなかった。・・・奴の目と耳は働いていなくて、毛髪だけが動いていたと思うんだ」
のび太がそう言うと玲が言う。
「つまり、奴の毛髪は、奴自身の意志で動かす事も出来るけれど、毛髪自体でも、何らかの方法で、周囲の物体を感知し、動くって事ね」
玲がそう言うと、のび太は頷き、言う。