小説が読める！投稿できる！小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ！

そして、その晩、コウキが帰ってくる事はなかった。


「セイジ、昨日、何があったの？」
「昨日、コイを釣り上げて、それが、なにかの機械で…それを捨てに行くって言って…」
「…もっと、細かく説明して？」
「その”コイ”をナオちゃんに見せたら、目の色を変えて、そしてこの部品を西の遠い方に捨てて来いって…」
「ナオ、ちょっと」
ナオを呼ぶ。
「その”コイ”って、何だったの？」
「んーっとね、偵察機。カメラとメモリがついてた」
「ってことは、捨てに行かせたのはカメラ？」
「ううん、カメラは既に壊れてたから、大丈夫だった」
セイジが、”コイ”の頭を切り落とした時にカメラの線が断線したのだろう。
「じゃあ何？」
「発信器。機械兵にもあった。…機械兵のは既に壊れてたけど」
「…メモリには？」
「大人。多分この星のじゃないけど、大人が映ってた。それ以外は川」
「なんで西に捨てに行かせたの？」
「この建物って、東側に出入口があるじゃない？だから」
セイジには意味が分からなかったが、
「なるほど…」
ヒトミには分かっていた。
「ごめん、意味が…」
「仕方ないわね」