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うらやましい

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人は天から一つ才能を貰う。
それが目に見える物なのか。それとも見えない物なのか。それはわからない。
でも見えない物というのは、結局ないと同じなのだ。
頭が良ければ成績に残る。運動が得意なら大会で勝ちを取る。他人からの愛があれば才能など必要だと思わないだろう。
ある時、離任式で教師が言っていた。
「他人をうらやましいと思ってはいけない」
うらやましい。
確かぬにこの感情はうらやましいと思う心なのだろう。
才能がある、他人から愛を貰う。
うらやましい。
確かに私がうらやましいと思うのはいけないのかもしれない。これ以上何かを求めてはいけないのかもしれない。
でも才能がない私を親は、愛をくれているのかわからない。
頭がよく、運動ができ、絵がうまい友人。親から確かに愛を貰っている友人。
「私はうらやんではいけないの?」

答えてくれる人など誰もいない。
誰も――
作品名:うらやましい 作家名:古月 零沙