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夜になってから蝶は舞う-DIS:CORD+R面-

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「はははっ。ジジイ。だからアンタは老害なんだよ」

張り詰めた空気だけがレヴィエス宮を揺らしている。


女王陛下は何も言わず奥の間へ。
会議は終了する。
早急に背徳者フューリー・ロトーツェンの行方を判明させること。急務だ。
会議の広間を後にする面々。
タバコをくわえたままシドルフはその背中達を無言で見送った。

「あまり調子にのらんことだ」
去り際、ケイナスはキツい口調で一睨みして足早に去った。
鼻で笑うシドルフ。

誰もいなくなった広間の天井をボンヤリ見つめたまま、煙を流したまま、ただただ座る。


「焦らなくとも良いのですよ。シドルフ。貴方にはまだまだ、まだまだ時間があるのですから」
奥の間から。真紅のカーテンがその優しく包み込むような声に合わせてそっと柔らかく漂った。

「だけど・・・陛下。貴方には時間がない」
少し悲しそうに聞こえるのは気のせいか。

「何を言うのです」

「明らかじゃないか。わかり易いよ。シェリルが跡を継ぐんだろ。だけどアイツはまだ若い。
俺よりも若いんだからな。そりゃ大変だ」
「シェリル。あの子は貴方を慕ってますね」
「ふはっ。けっこう口悪く罵られてるけどね・・・
でも近くでシェリルを支えられるように俺なんかを八葉の席に加えたんだろ。まあ・・・柄じゃねえんだけどさ。
それよりも今回のことで確信した。フューリーの枷はかなりその効力を失ってる。つまり・・・」
「私はまだ充分健在ですよ」
くすりと笑う声が混ざる。耳に心地良い。

「どっちにしろ、俺らリヴァーダにもう長い時間はなくなった。
俺を八葉に加えたこと、後悔させたくはないが大人しくあのクソ共と手を取り合う気もねえ。だから好きにやる。

けど、まあ・・・

十字湖に沈めんのだけは・・・勘弁してね・・・」

悪戯っ子っぽく笑うと勢いよく広間を後にした。