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うさぎときつね

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あるところに一匹のきつねと一匹のうさぎがいました。

うさぎときつねはとても仲が良くていつも一緒にいます。


きつねはうさぎを餌としか見ていません。それをうさぎもわかっています。

それをわかっていても、いえわかっているからこそうさぎはきつねのそばを離れられないのです。

きつねはいつか食べるつもりでうさぎといるつもりでしたが、いつの間にかただ一緒にいることが楽しいことに気が付きました。







長い年月が過ぎました、それでもうさぎときつねは一緒にいました。
だいぶ歳を取っていましたが、それでも彼らは幸せでした。



『きつねくん、ぼくはもうあまり長くはないよ、君はいつぼくをたべてくれるんだい?
 ずっと待っていたのに。』

『ああ、そうだな、でも俺はお前からたくさん食ったからこれ以上はくえないよ。』

そう言うきつねでしたが、終わりの時間は刻々と迫ってきていました。



そして、きつねが病気になってしまいました。

うさぎは何もできない自分が歯がゆくなって、せめて自分を食べてもらおうと火に飛び込もうとしました

『やめろ!』

それにきづいたきつねは思い体を引きずってとめました。

『頼むから、やめてくれ、そばにいてほしい』

泣きながらそういうきつねのそばでうさぎも泣いていました。

『うん』


何度も何度もうなづいて、







最期まで二匹は一緒にいました。







作品名:うさぎときつね 作家名:悠理