俺とみこの日常 9話
ともあれ、優美ちゃんが帰ってきた事により、いつもの感じに戻った。
そういえば…、明日は日曜、その次は…。
「おい、みこ。この薬の効き目はいつまでもつ?」
この姿のまま登校…考えただけで恐ろしい。
「えっとね、一週間」
頭が真っ白になった。
「効き目長くなっていってるよねー、ってあれ?そーくん?」
終わった。この姿のまま学校なんて行けやしない。
「おーい」
「…聞こえてないね」
「今のそーた可愛いのに」
「手がないわけじゃないよ?」
ガタッ
「なにっ!!?」
「おお、速い」
「一瞬だったね」
「んで?手って!?」
「コレ」
そう言われ手渡されたのは、一錠の薬。
元に戻れる薬か!!
「ありがとうみこ!」
ゴクッ
「すごーい、そーた。水なしで飲むなんて」
ドンッ
いつもの爆音。
ボハッ
いつもの煙。
!
目の前のみこが、どんどん低くなっていく。
「よっしゃぁ!!」
…ん?アレ?
声、なんか高くない?
アレ?なんか、胸のあたりが重くない?
アレ?股間のいつもな感じがなくない?
アレ?急に寒くなった?
あれぇ!?
煙がどんどん晴れて行く。
「おお~!」
「そーた、ナイスバディ!」
「あれ?蒼大さん?」
反応は三者三様。
ん…ナイスバディ?
「みこ、鏡!!」
「はい」
みこの手から鏡を奪い、覗き込む。
そこには、可愛らしい女の子の顔が。
「なんじゃこハクシュイ!」
なんか、急に寒くなった気が…。
身体を見てみると、理由判明。
全裸だった。
多分、巨大化する過程で、服が破れたか?
床を見てみると、敗れた衣服が。
…っていうかナイスバディではないだろ、コレ。
背が低すぎだ。みことさして変わらん。
「そーくん、ママそっくり!」
え?
母ちゃんに?
もう一度、鏡を見てみる。
…確かに。多分、母ちゃんと今の俺の、見た目の違いと言えば、身長や胸、くらいだろう。
ちなみに、身長→俺の方が低い。
胸 →圧倒的に俺の方がでかい。
である。
…誰得情報?
ドタドタ
「はい、そーた!」
優美ちゃんがリビングに戻ってくる。
多分、自分の部屋に行ってたのだろう。
それは、優美ちゃんの手に握ってるものを見ればわかる。
『スク水』
まさか、俺に着ろと?
ってか、なんでそんな物を?
「似合うと思うよっ!」
ジリジリと、少しずつ、だが確実にこちらに寄ってくる優美ちゃん。
「いや、優美ちゃん、この身長なら自分の服が…」
「こっちの方が可愛いよ?ねぇ?」
みことまりちゃんに聞く。
「うん、似合うと思うよ?そーくん」
「そだね、ばっちり」
「お前らぁ!」
「さあ、着て着て!」
「嫌じゃぁ~!!」
作品名:俺とみこの日常 9話 作家名:ざぶ