俺とみこの日常 9話
午後12時。
仕方がない、あの手を使うか。
…いや、”使わせるか”。
「まりちゃん」
「何?」
「お願いがあるんだけど」
………(説明タイム)。
「えっ!?あたしが!?」
顔を赤らめるまりちゃん。
「この状況作りだした張本人でしょ。責任取りなさい」
「……あー、はい…。分かりました…」
そう言うと、まりちゃんは、嫌だなー、とかブツブツ言いながらドアに近づく。
そしてドアの前まで行くと、ドアを開けるだけ開いてその場にしゃがみ込む。
そして、
「ゆ、優美ちゃーん、あ、あたしと、い、い……、イイコト、しよ?」
「はーい!!」
ドアの向こうから優美ちゃんの元気な声が。
作戦は成功だ。
「じゃ、優美、早くそこからどいて?」
「うん!」
ズルズルと、音が聞こえてくる。
恐らく一生懸命這いながら移動してるんだろう。
想像すると、とても可愛らしい光景だ。
「どいたよー!」
よし。
ガチャ
ドアを開けて優美の方を見る。
………。
なんか凄い事になってる。
手には手錠(らしきもの)。
足には泥棒対策用マット。
もちろんの事、裸足でマットに粘着。……大丈夫?これ。
「…大丈夫?優美ちゃん」
「…大丈夫!…じゃない、助けて?」
…か、可愛い…!
初めて優美ちゃんを可愛いと思った瞬間だった。
とりあえず、自分の部屋へと引きずりこむ。
そこから、優美ちゃんと二人で頑張ってみたけど…。
「あたしたちじゃ無理だ、そーくん呼ぼう!」
作品名:俺とみこの日常 9話 作家名:ざぶ