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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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どこへ行くのでしょうか

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「おねえちゃんごめんね」
わたしは心の中でそう叫ぶのがやっとだった。
寒い。暗い。
もう何かが食べたいとか、欲しいとかの気持ちはなかった。
寒さを感じているだけであった。
せめて姉には何かを食べさせてあげたかったが、
もう私にはそのすべてを姉に与えてしまったから何もなかったのだ。
お金が欲しいと思った。
働きたいと思った。
世間に甘える気持ちはなかったけれど、生活保護の制度のある事は知っていた。
病弱な姉でも生かせてやりたかった。
私自身生きていたい気持ちがあった。
役場でもっと強く言えば良かったのかと思う。
怒鳴ってみたら良かったのか
泣き出せば良かったのかとも思う。
役場のなかは暖かかった。
温かなお茶も贅沢に感じた。喉を通る温かなものは久しぶりであった。
胃がその温かな遺物に痛くなった。
持ち帰れるものなら、お姉ちゃんにも飲ませてやりたいと思った。