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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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迷い道

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ぼくの歩いている道はどこまでも真っ直ぐな道のように思えた。歩いて行くと道の脇をアヒルが歩いていた。
「アヒルさん白い屋根の家を知っていますか?」
「知らないね。僕たちの世界は狭いから、犬に聞いたらいいよ」
ぼくは歩き始めた。
道の先には青い空が広がって見えた。
少し景色を見ながら歩いていると犬が歩いていた。
「犬さんこのあたりに白い家がありませんか?」
「僕はいつもつながれていて、解らないよ。小鳥さんに聞くといいよ」
ぼくはそうだなと思った。
歩いて行くと小鳥のさえずりが聞こえて来た。
「カナリアさんこのあたりで白い家を見なかったですか」
「カゴから逃げたばかりで解らないわ」
ぼくの捜している白い家はどこにあるのだろう。

アヒルも犬もカナリアも小さな世界に住んでいてつまらなくないのかな。
ぼくはそんなことを思いながら白い家を捜して歩いた。
誰に尋ねても知らないと言う。
僕はもうくたくたに疲れてしまった。
青い空はどこまで歩いても青かった。
なんて空は大きいのだろうとぼくは感じた。
そして、もっとぼくの住む世界が小さければいいのにとも思った。
そうすればすぐに白い家が見つけられると思うからだ。
地球が小さければいいとも思った。
そうすればどこにでもすぐに行けそうだから・・・
ママの住んでいる白い家はどこなんだろう。
ぼくは一人ぼっちで今日も眠りに就く。

作品名:迷い道 作家名:吉葉ひろし