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袋の話

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ここに紙袋があります



それはもうボロボロで、今にも穴があきそうです
普通の人は一年一度くらい全く同じ袋を買っています
私にはお金がありませんので、紙袋を買い換えることができません

生まれたときからそれがわかっていましたので、私は紙袋を大切に、大切に使っていました
だってそうしなければ×××をどこに収納すればいいのでしょう?
両手では、とても持ちきれません。かかえることもできません。
ですから私はこの紙袋を大切に使っていました。
ボロボロになっていましたが使えないことはありません


最近新しい袋が開発されて、それは一生買い替えなくてもいいくらい頑丈な袋だそうで
ピカピカと光る袋を持つ人はだんだん増えて、私はそれを羨ましく思いました。
でも私にはお金がありませんので、買い替えることはできません
ただ見てることしかできないのでした



ある時のことです私はとても嫌な××をしました。
それは生まれてこのかた経験したことのないような×××でツラくて苦しくて痛くて寒くて寂しくて怖くて、
とにかく絶望的な間隔だったのです。
紙袋はもういっぱいいっぱいだったのですが、これらを置いていくことはできません。


誰でもそうだと思います


だから私はなんとかそれらを詰め込もうと押し込みました
入らないことはわかっていました。
でもそれ以外に道が無かったんです
私にはお金がないので二つ目の袋を買うこともできません、必死でした。
ここは普通の道路のど真ん中です。
人々が私を避けながら歩きます迷惑そうな顔をしながら、
焦りました、手が滑りますあと数個だというところで

作品名:袋の話 作家名:氷室夕