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アメリカ漂流記~極寒の地より

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車で仕事場に向かう途中、スカンクの死骸を見かけます。
見かける前ににおいで判ります。
とても強烈なにおいで、ちょっと他のに例えられるようなにおいはないです。

初めてスカンクのにおいを嗅ぎました。有り難くないです。
車で轢いたら1週間はにおいが取れないそうです。
進化論で考えると、スカンクという種族はにおいが強烈なものが生き
残り、においの強烈でない種族は死に絶えてしまったということに
なります。「とても食える匂い」ではなかったのでしょう。

人間に置き換えると、「おならのくさい」人はもてるということに
なるのでしょうか?
もしそうなら「幸せな人」の種類も変わって来るでしょうね。

・・・アメリカンジョークです。両手を広げて大げさに笑ってみましょう。

ある日、仕事の帰り、車の運転をしていたミッシェルが、突然こう言いました。

「先輩、なんかいい匂いしませんか? ごま油でなんか炒めた様な。」

クンクン鼻を鳴らします。
私にはあまり感じられませんでした。

「そうかなぁ。」

そう言うと、ミッシェルは、

「めちゃくちゃいい匂いしますよ。あー、腹減った。」

と言って、よだれをすすりました。

しばらく走ると、私にも匂いが感じられるようになりました。
しかし、その匂いはとても炒め物のような芳しいものではありませんでした。
道路の真ん中に何やら黒いものがうずくまっています。

近づいてみると、それは、車に引かれてぺしゃんこになったスカンクちゃんでした。
この匂いの正体は・・・そう、スカンクの匂いだったのです。
ミッシェルが、「オーマイガーッ!」と目を剥いて叫んだのを、笑いをこらえて見ていました。

スカンクの匂いを嗅いで、「あー、腹減った」と言ったのは、世界中でミッシェル一人だけでしょう。