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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「初体験・小枝子編」 第四話

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小枝子編 第四話

「俺は小枝子さんが元気になってくれたことが一番嬉しいです。いつまでも仲良くしたいから・・・友達ではいけませんか?」
「あなたが家に来てくれなかったら・・・友達でずっと良かった。でも今はもう無理・・・あなたのこと大好きになっているから・・・」
「戻れないんですね・・・イヤと言ったら、もう二度と逢わないつもりですね?」
「・・・そう。ゴメンなさい。辛いの・・・このまま終わったら、二度とあなたには面と向かって話せなくなってしまう気がする」

香奈枝の時と同じように、千代子の時と同じようにまた小枝子も大人の女の表情を見せていた。

雄介は自分が不幸な女しか相手にしていないような錯覚に陥っていた。弱い面を見せる心につけ込んでセックスをしているような自分がいることを許せなかった、いやそんな男ではないと思いたかった。
佳恵との普通の恋愛が本当は一番心地よいのかも知れないが、刺激的な年上女性との恋も一時とはいえ雄介の性欲を激しく揺さぶるのだった。
本当の自分はそこに居るのかもしれない・・・

「雄介さん、今日は泊まってゆけるの?前にそう言ってくれたでしょう」
「明日午後から授業があるしバイトもあるので間に合うように帰れれば・・・いいですよ」
「そう、私も店10時に開店しなきゃいけないから同じよ。少しドライブしてあなたの家の近くで泊まれるところ探しましょう」
「枚方ですね・・・一号線から良く見えるから」
「そう、よく知っているのね」
「学校に行く時に通りますから、見えるんです」
「そうなの・・・私は行ったことが無いのよそういう場所へは」
「独身の時にもですか?」
「ええ、あなたとは違って・・・真面目だったの」
「俺だって少しは真面目ですよ」
「少し?そんな言い方ないわよ、面白いのね」
「じゃあ湖の周りをぐるっと回って、比叡山から山科に下りて一号線に出ましょう」
「よく道を知っているのね。調べたの?」
「ずっと地図とにらめっこしてましたから」
「ありがとう・・・計画的な面もあるのね」
「ドライブだけですけどね」
「解ってるわよ!もう・・・なんか恥ずかしくなってきた自分の態度が・・・あなたのような年下の男性を誘惑しているなんて」
「じゃあ、やめましょうか?」
「何度も言わせないで!解っているくせに・・・結構意地悪なのね、ちがう?」
「よく言われます」
「そんな面もあったのね・・・覚えておくから」
「ええ?酷いですよ・・・」
「早く行きましょう!ねえお母さんに泊まる事言わなくていいの?」
「電話しなきゃ・・・忘れるところだった」
「早くしてきて」
「うん、ちょっと電話掛けてくる。待ってて」
「はい」

母親になんてうそをつこうか考えていた。友達の家に泊まるとだけ言おうと思った。案の定、誰?と聞かれて、とっさに魔王のマスターの名前を出した。
「ほら、魔王のマスターとドライブに来てて・・・」
疑ってはいるようだったけど、場所をはっきりと言ったので信じてくれたようだった。

「お待たせ、じゃあ行きましょうか」
「雄介さん、何てウソ言ったの?」
「いつも行っている喫茶店のマスターと一緒だって行ったよ」
「バレなかったかしら?」
「そこも今日は定休日だから大丈夫だよ」
「そう、水曜日って休むところ多いからね」
「水商売は水曜日は休むんだよ。水に感謝してね」
「そうだったの!知らなかった・・・へえ~何でもよく知っているのね。今夜が楽しみ・・・ウフフ」
「変な想像しないでくださいよ・・・期待されると困ります」
「冗談よ・・・気にしないで」

結婚していたからそれなりに夫婦生活があった事は確かだ。雄介なんかの経験とは比べ物にならないだろう。
別れて一人の時間が長かったから、今夜は期待しているに違いないと雄介は思っていた。比叡山を下る頃にはあたりは真っ暗になっていた。京都市内で食事を済ませて枚方のホテル街に着いたのは泊りが出来る10時を少し回っていた。選ぶこともなく一番近くで入れるところに車を入れた。

「雄介さん、ありがとう・・・私のわがまま聞いてくれて」
「いいんだよ。これも自分の受け入れるべき運命なんだから」
「上手い言い方ね・・・運命か。そうかも知れないね。あなたのような優しい男性ともっと早く巡り逢っていたなら・・・哀しい想いもしなくてすんだのにね。いまさら何を後悔しているんだって感じだけど、本当にそう思えるの」
「人生は未来が決まっていて出逢う人や寿命なんかも自分の思う通りには行かないって聞きました。だったら・・・今ここで起きようとしていることは受け入れるべきなんだって・・・間違っていますか?」
「その通りよ。受け入れて欲しい・・・叶うなら、ずっと」
「小枝子さん・・・」
どちらからともなく抱きついて強く唇を求めた。雄介は髪を撫でて時折唇を離してじっと目を見つめた。

「恥ずかしい・・・」小枝子は以外にもされるままにしていた。
「お風呂に入らなくちゃ・・・ね。俺、湯を入れてくるから待ってて・・・」
「うん、ゴメン」

ソファーに膝をそろえて座って雄介が戻ってくるのを待っていた。小枝子はもう身体の芯が熱くなり始めていた。久しぶりにこんな気持ちになっていた。雄介が戻ってきた。

「直ぐだから・・・待っていよう」
「はい」
「どうしたの?恥ずかしいの?」
「うん・・・おばさんなんだもの、自信が無い。今になって変だけどなんだか不安なの」
「大丈夫だよ・・・ね?俺だよ、雄介・・・心配ないって」
「そうね・・・雄介さんなんだもの。安心よね・・・どうしちゃったのかしら、解らない・・・」
「潜在意識が恐怖を甦らせるんだよ・・・手をつないでご覧、ね・・・強く握って。俺の眼を見て信じて欲しい」
「ありがとう・・・なんて優しいの・・・もうダメ・・・メロメロになっちゃう」
「今からは年なんか関係ない。名前で呼び合おう。小枝子・・・」
「雄介・・・好き」
「俺もだ・・・好き」

入浴を済ませてベッドに入った小枝子はもう経験豊富な自分に戻っていた。雄介の優しさに深くそして激しく身を投じていた。
朝まで何度も何度も求めた雄介と小枝子だった。