俺とみこの日常 7話
「もしもし」
『おう』
「先輩、みこの事ですけど…」
『俺もそれで電話をかけたんだ』
「電話をかけたってことは今先輩は学校にはいないんですか?」
『いや?いるよ』
「じゃあ何で電話なんか…」
『お前を助けてあげたんだぞ?』
「…見てたんですか?」
『見てたんじゃない、偶然見えたんだ』
「あ、みこの件でしたよね?」
『ああ』
「すいません、あれ、俺の親の作った薬のせいです」
『知ってる』
「んで、入れ替わってる期間は1カ月です」
『…長いな』
「ですよね。俺もそう思います」
『どうする?』
「なにをです?」
『優美…みこちゃんをそっちに帰そうか、それとも…』
「このまま?」
『そうだ』
つまり、先輩は、
(蒼大、みこ(実際は優美))と、
(蒼大、優美(実際はみこ))どっちがいいか。と聞いているらしい。
「そんなの、本人達の好きにさせりゃいいじゃないですか」
『…そうだな』
『時間とらせて悪かったな』
「あ、いや、ナイスタイミング、問題なしです」
『ナイスタイミング?』
「あ、いや、こっちの話です」
『んじゃ、切るぞ』
「はーい」
プツッ
さてと、部室、行きますか。
ガチャ
「おっ、てなんだ。蒼大か」
「なんだとはなんだ」
「面白くないなって」
面白くないとはなんだ。
「おっす」
「あ、先輩今さっきあざっした」
「はは、気にすんな」
「なに?何の話?」
「お前らは気にしなくていいの」
「えー、気になる〜〜」
健太が駄々をこねていたその時。
ガチャ
部室のドアが開く。
…入ってきたのは顔を真っ赤にした太郎と、同じく顔を真っ赤にした桜。
それまで騒がしかった部室内が、一気に静かになる。
…だ、駄目だ…耐えきれない…!
♪〜♪〜♪〜
誰の電話だ……俺のか。
ガチャ
「もしもし?」
『もしもし、そーくんさん』
「はいはい」
『私とみこちゃんで話した結果、みこちゃんはそーくんさんの家に、私はそーくんちゃんの家にお邪魔します』
「はいはい…あれ?ごめん、もう一回いい?」
『みこちゃんはそーくんさんの家、私はそーくんちゃんの家にお邪魔します』
…まとめてみよう。
・そーくんさん…俺だ。
・そーくんちゃん…俺だ。
…あれ?
あれぇぇぇぇ!?
『そーくんちゃんさん?』
「まとめんな!」
『めんどくさいもんで』
「お前、ちゃんとお兄ちゃんに言ったのか?」
『はい。許可も出ました』
「マジで!?」
『はい、マジです』
「先輩、マジっすか!?」
「おう、大マジだ」
『ほらね☆”』
…こうして、一時的に家族(でいいのか?)が一人増えた。また毎日忙しくなりそうだ…。
<7話 END>
作品名:俺とみこの日常 7話 作家名:ざぶ