カシューナッツはお好きでしょうか?
27.ふけさん
「私のイメージは、『日本人形』なんだ」
「はい?」
少女は不思議そうな顔をしていた。
「今考えているのはミニスカートの浴衣を衣裳にして、髪は黒髪ロングで、オデコのところで直線にカットする。そして、キャラクターは暗めにして、時々ブラックな言葉を発する。キャッチフレーズは『暗黒豆腐を食べなさい。じゃないと呪うわよ』みたいな感じで……」
「ちょ、ちょっと待って! それ、本気で言っているの?」
「……そうだけど、なにか問題でも?」
「問題だらけよ!」
少女はハヤシライスの米粒を飛ばしながらもう抗議してきた。
「まぁ、落ち着いて落ち着いて。これはあくまでも私個人の考えだから。カエデさんの考えもちゃんと取り入れるつもりだから」
私は飛んでくる米粒を華麗に避けながら少女をなだめた。
「そう、ならよかった。私はね……」
少女は再びハヤシライスの米粒を飛ばしながら、自らが理想とするアイドル像を話し始めた。
作品名:カシューナッツはお好きでしょうか? 作家名:タコキ