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トルコ行進曲

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トルコの技術者が日本でシステムの教育を受ける為に2週間、本社に滞在した
時のお話です。

毎日1回、打ち合わせの最中や、教育の最中、どんなに話が込み入っていようが、
「お祈りの時間です。」と言い、持参のマットを聖地メッカの方角に敷いて、
頭に帽子をかぶり、お祈りを始めます。
これは、まぁ、お国の伝統というか思想・宗教の事柄なので、とやかく言うつもり
もなく、お祈りが終わるまで、じっと待っていました。

2週間びっしり、会議室に籠もりっきりでは飽きるので、昼食に蕎麦を食べに
連れて行きました。
魚はOKなのですが、肉や肉のダシなどの入った食べ物は全てNGだったので、
魚のダシしか使っていない蕎麦ならばOKということで連れ出したのです。
小雪のちらつく冬の寒い時期でした。

昼食を終え、お店から出たとき、一人のトルコ人技術者が私に聞きました。

トルコ人技術者「メッカの方角はどちらですか?」

私「えーと東の方角だから・・・確かこっちです。」

トルコ人技術者「お祈りの時間です。」

私「へ?」

蕎麦屋の駐車場にマットを敷き、お祈りを始めてしまったのです!!

これには参りました。
蕎麦を食べようと、駐車場に入ってきた車がその方向に土下座する3人の
外国人を見てビビり、車をUターンさせて帰って行くではありませんか。
1台来ては帰り、1台来ては帰り・・・・

お蕎麦屋さんごめんなさい!!
作品名:トルコ行進曲 作家名:ohmysky