季節限定音楽隊
徹夜明け、カーテン開けると射す光。
ぼんやり外を眺めてみると、新雪が積もる地面に足跡が。
少し耳をそばだててみると、シャクシャクシャクと、音がする。
小さな足跡が続いてる。
ひい、ふう、みいと数えていると、
黄色い帽子とランドセルがふたつ見えてきた。
そういえば、子供の頃のことだけど
道を歩くと、不思議な音が、ぱりぱりって音が、僕の後ろについてきた。
あの時は、僕は音楽隊の先頭なんだ、なんて思ったな。
今考えると、あれはたぶん、霜を踏んだ時の音だったんだろうと思う。
あの子供たちも、あの頃の僕と同じ音楽隊なのかもしれない。
なんてことを思ってから、自分の思考に苦笑した。