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本当にあったゾッとする話2 -上野駅山手線ホームから見たもの

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私の父は早くに父(私の祖父)を亡くしたせいで、自分の家系のことがほとんどわからなかった。
既に足腰が衰えて、自分で外出もままならなくなっていた父は、私に家系調査を依頼して来た。
私は、自分自身の興味もあって、その依頼を引き受けた。

私の家系は代々静岡の出身だが、祖父が一時期東京の下谷に住んでいたことが分かった。
父の記憶では、祖父は近衛連隊(?)に属して皇居で衛兵に立っていたことがあったらしいので、ひょっとしたらその時期に下谷に住んでいたのかも知れない。
(当時、大正天皇がちょこちょこと出て来て、衛兵に立っていた祖父に、よく悪戯をしたそうだ。本当かどうか、今となっては確かめる術は無いが。)
祖父は下谷で結婚し、わずか数年の結婚生活の後にその妻と離縁すると同時に、郷里の静岡に戻っていた。

その時期の祖父の状況を調べるため、台東区役所に除籍謄本を取りに行った。
すると区役所の担当者が言うには、東京の下町は、関東大震災と東京大空襲という2度の大火に遭っており、それ以前の記録が全て焼失してしまったそうだ。
目的を叶えられなかった私は、むなしく区役所を後にした。