既望ホウ
既望ホウ
翡翠 若
広大に広がる青空の下。
「はーっ、さみぃー!」
男達は、三六〇度見渡す限りの景色を眺めていた。
「目の前にまで鮮やかな青が広がってるな。」
一人は詩的なつもりでそんな科白を吐いた。
「良い気分そうだなお前ら-------」一人顔の色が違う男が、そう言って皮肉げに笑うと、
「ま、深呼吸でもしてみろって!」隣の男は、そう言い背中を叩いた。
「本当に、凄ぇ高ぇとこまで行ったもんだな」
「しっかし、酸欠とか大丈夫かなぁ?ほら、高いところだから、空気が薄くなるんだろ?」
「はぁ?馬鹿かお前?そんな話ゃあねぇよ!」
「いや、そうだろ。」「いや、違うだろ!」
そう張り合う三人をなだめるように、せんとうの男は「どっちでも良いだろ-------ガキかお前ら。」と一蹴して、ふと携帯に目をやった。
まだ、辛うじて電波がある。
翡翠 若
広大に広がる青空の下。
「はーっ、さみぃー!」
男達は、三六〇度見渡す限りの景色を眺めていた。
「目の前にまで鮮やかな青が広がってるな。」
一人は詩的なつもりでそんな科白を吐いた。
「良い気分そうだなお前ら-------」一人顔の色が違う男が、そう言って皮肉げに笑うと、
「ま、深呼吸でもしてみろって!」隣の男は、そう言い背中を叩いた。
「本当に、凄ぇ高ぇとこまで行ったもんだな」
「しっかし、酸欠とか大丈夫かなぁ?ほら、高いところだから、空気が薄くなるんだろ?」
「はぁ?馬鹿かお前?そんな話ゃあねぇよ!」
「いや、そうだろ。」「いや、違うだろ!」
そう張り合う三人をなだめるように、せんとうの男は「どっちでも良いだろ-------ガキかお前ら。」と一蹴して、ふと携帯に目をやった。
まだ、辛うじて電波がある。