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診察室

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‐‐‐ズキン!‐‐‐
突然、奥歯が疼き出した。

‐‐‐またか?‐‐‐
薬で散らしていたが、歯髄炎は完治していなかったらしい。

何かと多忙なビジネスマンにとって、歯の痛みは要注意。
おまけに、私は、去年からは、福岡に単身赴任中。
かかりつけ医は東京にある。
でも、もの心ついた時から、歯医者は大の苦手。
出来れば、鎮痛剤で誤魔化したい所だが、
‐‐‐‐今日も明日も会食だし、明後日からは上海出張‐‐‐‐
仕方ない、どこか探してみるか!

ネットで博多周辺の歯医者を調べると、夥しい数!
歯科医銀座・博多、と言われるのも頷ける。
土日もやっている所で検索、電話を入れてみると、幸運な事に、今日の夜であれば予約出来ると言う。
取引先に、会食開始時間を1時間遅らせて貰い、早速治療する事にした。

デンタルホワイトクリニック。
最近は、横文字でないと流行らない様だ。

「お待たせしました、こちらの個室へどうぞ。」
‐‐‐えっ?と思う位、綺麗で清楚な看護師にビックリ!

歯の痛みが何処かに消え去った様な気分になった。

診察台に座り、紙製のエプロンをつけていると、背後から、
「お待たせしました。私が担当させて頂きます山口です。」

‐‐‐‐マジ?‐‐‐‐
白衣の女性以上に美人!中洲のクラブでもトップクラスになれる位の、プロポーションと顔立ち。
‐‐‐こんな美女に、口の中を覗かれるのか‐‐‐‐
突然、気恥ずかしくなって来る。

「では、お口の中を見ますので、大きく開けて下さい。」
‐‐‐あ~ん‐‐‐
「‐‐‐この歯ですね?‐‐‐歯茎が大分鬱血してます‐‐‐」
‐‐‐そんなに顔を近づけないでくれ!胸が肩に当たってるぞ‐‐‐‐
「‐‐‐まずは、この血を抜きましょうね‐‐‐。一回、うがいして下さい。」
‐‐‐下半身も鬱血し始めたぞ‐‐‐

嗽をして、もう一度、口を開くと、山口さんが注射器を持って、再び、私の顔に被さって来る。
「麻酔をします。チクッとしますよ。‐‐‐ハイ‐‐‐」
‐‐‐ビクッとしてる‐‐‐
「暫く、待っていて下さいね。」
‐‐‐ふ~っ!心臓に悪い‐‐‐‐

診療台で器具を準備している山口さんを眺める。
歯科医の衣装は上下白、動きやすい様にパンツルックなので、通常、こんなに色気を感じない筈なのだが‐‐‐。

「はい、では、治療しますので、もう一度お口を開けて下さいね。」
‐‐‐そうか!彼女の声が艶っぽいんだ!‐‐‐
治療されながら、不謹慎にも、山口さんの淫らな姿を思い浮かべてしまった。
‐‐‐やばいぞ!治療中なのに!‐‐‐何か、別の事考えなきゃ‐‐‐え~ッと‐‐‐‐
「‐‐‐随分、我慢されたんですね‐‐‐‐」
‐‐‐な、なんちゅうセリフを!‐‐‐‐
「‐‐‐少し、痛いかも知れません。我慢なさらないで、痛かったら、左手を上げて、教えて下さいね。」
‐‐‐我慢しないで、だと!‐‐‐‐
「‐‐‐いきますよ‐‐‐」
‐‐‐頼むから、黙っててくれ!‐‐‐‐
「‐‐‐はい、終わりました。嗽されて結構です。」

気がつけば、額に汗が滲んでいた。
山口さんが、それを丁寧に拭き取る。
やばい!完全に虜になりそうだ!

「暫く、通って頂いて、この際、徹底的に治療しませんか?週に一度、来られますか?」
「はい!はい!来ます!来ます!毎日でも!」
「(笑)週に1回で結構ですよ!」


これまで、大嫌いだった歯医者。
山口さんとの出会いで、大好きになりそうだ。
作品名:診察室 作家名:RSNA