OATH~未来につなぐシルベ~エピソード0.動き出す時計
エピソード0.動き出す時計(シナリオ) プロローグ
薄暗い空の下。
強く降り続いている冷たい大雨の中で、森を切り開いた街道を8歳くらいの少女が傘を差さぬまま走っている。ただ、ひたすらと・・・・・・苦しみながら・・・・・・。
「・・・・・・なんで・・・・・・なんでこんなことが・・・・・・」
がむしゃらに走るその姿は、罪から逃れようとしているかのようだった。
しかし、
「・・・ううっ!」
小石につまづき、倒れる。
倒れると同時に、彼女が犯した罪を制裁するかのように雷が鳴り響く。
少女はうつ伏せになったまま、泣きながら自分の右手を見つめる。
「・・・うっ・・・うっ・・・・・・あたしが・・・・・・あたしがやったの?・・・なのに・・・なんで・・・あたしは生きているの?いやだ・・・いやだよ・・・こんなの・・・・・・」
雷が再び、悲しく鳴り響く。
少女は、懇願するかのように、
「・・・・・・お願い・・・誰か・・・あたしを・・・あたしを・・・・・・ころ、し、て・・・・・・」
少女は、大雨が降り続く中、静かに目を閉じた。
今という現実を―自分がここにいることを、強く、強く、否定し、それを望みながら・・・・・・。
作品名:OATH~未来につなぐシルベ~エピソード0.動き出す時計 作家名:永山あゆむ