「姐ご」 10~12
「姐ご」(10)
「 瓦屋のリハビリ」
「あんたまで倒れちまってどうすんのさぁ~
気を付けて頂戴って言っている矢先から倒れてちまって・・
まったく。」
「すまねぇ、姐ご。
面目ねえ次第だ、それよか総長の塩梅はどうだ。
ちったあぁ良い方に進んでいるのかい?」
「病人が病人の心配なんかしてどうすんのさ。
人のことはいいから、
早く病気を治すことに専念してよ。
鉄屋さんだって、ゴルフ友達がいなくなって
寂しがってるじゃないの。」
「あ、姐ご。
俺は鉄屋じゃなくて、
正確には、蹄鉄屋なんだけど・・・」
「あんたもまた、つまらないことに、
いちいち、こだわらないの!
じゃあ、パパの看病に戻るけど、これ以上あたしを泣かせるんじゃないよ。
早く元気になって頂戴。
又来るけど、何か欲しいものがある?」
瓦屋が、やっとベッドから引き出した右手で、小さく姐ごを手招きしました。
姐が近くに寄ると、さらに耳を貸せというように、そうっと手招きします。
瓦屋に被さるように姐ごが小耳を寄せました。
が、やおら、ぱっと頬を染めて、大きく後ろへ飛びのきました。
「なに馬鹿言ってんの!このエロ爺。
死ぬ前に一発やらせろなんて、なんて馬鹿なことを考えているの。
いい加減にしないと本当に怒るよ、
勝手に死ぬがいい、このとうへんぼく。」
真っ赤になってそう言い捨てると、大音響をたててドアを閉め、
大股で病室を後にしてしまいました。
蹄鉄屋が、残された病室で大きな声で笑っています。
「それだけの元気があれば、大丈夫だ、
しびれが残ったみたいだが、後はリハビリ次第でなんとかなるようだ。
助かったというだけでも、運がいいというのに、
ついでにやらせろとは、まったく兄貴も欲が深すぎる。
あのご立腹の様子じゃ、今度は本当に
姐ごに殺されるぜ、まったく。」
「 瓦屋のリハビリ」
「あんたまで倒れちまってどうすんのさぁ~
気を付けて頂戴って言っている矢先から倒れてちまって・・
まったく。」
「すまねぇ、姐ご。
面目ねえ次第だ、それよか総長の塩梅はどうだ。
ちったあぁ良い方に進んでいるのかい?」
「病人が病人の心配なんかしてどうすんのさ。
人のことはいいから、
早く病気を治すことに専念してよ。
鉄屋さんだって、ゴルフ友達がいなくなって
寂しがってるじゃないの。」
「あ、姐ご。
俺は鉄屋じゃなくて、
正確には、蹄鉄屋なんだけど・・・」
「あんたもまた、つまらないことに、
いちいち、こだわらないの!
じゃあ、パパの看病に戻るけど、これ以上あたしを泣かせるんじゃないよ。
早く元気になって頂戴。
又来るけど、何か欲しいものがある?」
瓦屋が、やっとベッドから引き出した右手で、小さく姐ごを手招きしました。
姐が近くに寄ると、さらに耳を貸せというように、そうっと手招きします。
瓦屋に被さるように姐ごが小耳を寄せました。
が、やおら、ぱっと頬を染めて、大きく後ろへ飛びのきました。
「なに馬鹿言ってんの!このエロ爺。
死ぬ前に一発やらせろなんて、なんて馬鹿なことを考えているの。
いい加減にしないと本当に怒るよ、
勝手に死ぬがいい、このとうへんぼく。」
真っ赤になってそう言い捨てると、大音響をたててドアを閉め、
大股で病室を後にしてしまいました。
蹄鉄屋が、残された病室で大きな声で笑っています。
「それだけの元気があれば、大丈夫だ、
しびれが残ったみたいだが、後はリハビリ次第でなんとかなるようだ。
助かったというだけでも、運がいいというのに、
ついでにやらせろとは、まったく兄貴も欲が深すぎる。
あのご立腹の様子じゃ、今度は本当に
姐ごに殺されるぜ、まったく。」
作品名:「姐ご」 10~12 作家名:落合順平