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洋琴奇憚

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受取人 Leonora@esweb.ne.jp
Date: Fri, 25 Nov 2011 04:38:01 +0900 (JST)
Subject: 宜しく
早く誤解を解かないと、兄に言っちゃいますよ?。
私の人財を搾取しないで下さい人権侵害です

(あなたの姉の夫に言いたいのはこちらだわ。人材搾取って何?)


差出人 momocrab@dokomo.ne.jp
受取人 Leonora@ezweb.ne.jp
Date: Fri, 25 Nov 2011 05:41:17 +0900 (JST)
Subject: 何だか
別の人の勘違いでした。すみません<(_ _)>
ところでコンサートの、CD-ROM全部返してもらえますか。私やっぱりやりますから明日か、明後日とかご飯どうですか?

(支離滅裂にもほどがある)

返信するわけがないが、このまま放置もこまる。
しかし、この日は多忙な一日、午前中はまったく自由な時間がなかった。
そうしたら、また滝のように。
しかも直電まで。

電話にも出るわけないし迷惑なのでオフィスに放置しておいたが、うらみがましい留守電が10分おき。
これでは仕事にまで差し障る。

差出人 momocrab@dokomo.ne.jp
受取人 Leonora@esweb.ne.jp
Subject: 今まで
しつこくして、悪かったですね。
私はレオノーラさんに怒鳴られて以来、夜中眠れず調子が悪いです。。
もうなるべく今後関わらないので、私の大切な仲間にこれ以上悪口を言わないで下さい!

差出人 momocrab@dokomo.ne.jp
受取人 Leonora@esweb.ne.jp
Subject: 度々失礼致します

レオノーラ様
度々の御無礼お詫び申し上げます<(_ _)>この一週間、夜中ほとんど眠れていなく、何度もフラッシュバック現象?!で完全に、頭がおかしくなってました。。。。
本当にすみませんでした。<(_ _)><(_ _)>
コンサートの、CD-ROMはクリスマス練習会に皆さんの分をお持ち頂けますか。各自分か、全部かどうコピーしますか。誓約書とかつけますか
お手数おかけしますが、宜しくお願い致します<(_ _)>
次回を期に私はオンディーヌを去りますねでは!

差出人 momocrab@dokomo.ne.jp
受取人 Leonora@esweb.ne.jp
Subject: オンディーヌ

レオノーラ様
管理人は、今後あなたに譲ります。後はどうぞお好きになさって下さいね?
連弾は、次回アマデウス会で最後にしましょう
では。

差出人 momocrab@dokomo.ne.jp
受取人 Leonora@esweb.ne.jp
Subject: オンディーヌ
レオノーラさん、度々すみません。
やはり管理人やります
続けることに意義がある!
連弾もゆるりとお願いできますか
もう変えません

差出人 momocrab@dokomo.ne.jp
受取人 Leonora@ezweb.ne.jp
Subject: どうぞお元気で
レオノーラ様
レオノーラさんのピアノ、大好きでずっと聴いていたかったです
さようなら
オンディーヌの御検討をお祈り致します。

変換まで間違えている。
このあと、ブログの更新内容や、次のクリスマス会のエントリー状況などが続々と送られてきた。

そしてそのすぐ後にまた、クリスマス会で連弾やりましょうという内容が続いてきた。
完全に狂っていた。

診断:人格障害(被害妄想型)
経過を話した友人の精神科医は即座にこの診断名を挙げた。
うつ病かと思ったけど、というと、これはうつのような脳内伝達物質の問題ではなく、気持ちの受容の問題なのだと言っていた。
自己愛と被害妄想、自分の悪口を言われているに違いないという思い込み、悪質な攻撃性が特徴だと。
投薬で鎮静をすると、適応できるようになるかもしれないが、再発を繰り返すし、本人に異常さの認識がないので厄介なのだそうだ。
挙句に、かなりのところまではいわゆる猫を被っていて、牙をむく相手が決まっているという。
家族も異常さに気づいていないことが多いらしい。

たまたま会議で会った職場の弁護士に、そういえば、と言って相談すると、
即座にこれはストーカーだと断言された。かなり悪質であるが、明らかに精神状態が異常なので、刑事立件は難しいかもという。
しかし、メールの保全手続をとりましょう。民事で告訴しますか、というのだ。
怖いものみたさでメールを受け取っているかもしれないが、危険だから、受取り拒否を薦められた。
受信拒否をしても、本物の危ないストーカーならどうやってでも接触してくるらしい。
いや、そんなつもりじゃなくて。この人の家族に職場の関係者いるし。
この人は、外にでてくるのは無いと思うのと、接触してくるような頭の切れもない。
レオノーラは、自分からは連絡を取らないと約束し、弁護士からは、顔を合わせるような場所に行かないように釘を刺された。
でも怖いもの見たさ、てのは案外当たっている。

弁護士との約束どおりレオノーラが連絡を絶って数日後の週末、たまたま実家に帰り、直前まで久しぶりの友人と話して笑っていたレオノーラは迂闊にも掛かってきた電話に相手を確認せずに出てしまった。
やばい。と思ったがときすでに遅し。
一瞬の沈黙の後、ももこさんは話し出した。
『あのですね。やっぱり一度きちんとお話しておきたいと思って。』
>何をですか。
『あの、いろいろとわたし言ってしまったようで。』
>そうですね。
『わたし、やっと今の仕事見つけたし、こんなことが知られたりしたら、お堅い職場だし即刻クビが飛びます。』
>そうですね。
『兄にも知られたりしたら、それに、かわいい甥や姪の今後に係ったりしたらと思うと』
>係るでしょうね。
『でも、親がですね、言ったんですよ。レオノーラさんみたいな方は、何事もおっしゃるとおりにして、頼りにしたほうがいいって。だからわたし、いつもいつもレオノーラさんに相談ばかりしてたんです。』
>自分の意思ではないといいたいのですか。あのようなメールも親御さんに送れといわれたのですか。いい年をして親のせいですか。
『そういうわけではないですが。ごめんなさい。ほんとに。SNSのほうも、いろいろやってしまったなと思って、やめたんです。あそこでは消えてしまえるから。』
この子、SNSのメールは送った自分が消えたら同時に消えると思ってる。たっぷり残してあることは黙っていよう。
>よくない行動をとったとわかっているわけですか。
『よくないというか、怒鳴られてショックで。』
>誰が怒鳴ったのですか。
『レオノーラさんですよ。こわかったんですよ。』
>怒鳴っていませんよ。
『そうですかあ。でもヴァルトさんにも散々怒鳴られました。』
>全部人のせいですか。
『あ?というか?、ごめんなさい。そういうつもりでは。でも兄のこととか気にして。』
>そうですね。わたしも彼に一応気を使って今まではあなたのことはかなり許しました。
作品名:洋琴奇憚 作家名:夕顔