OATH~未来につなぐシルベ~第一章(第3話・第4話)
第一章-自警団員への道- 第3話-舞踏(ぶとう)で伝える女性は語る-
■海上都市ヴロール 入口(マノーラ方面側) <シーンNo.3-1>
街の中へと入るリディアたち。
リディア、両手を挙げて背伸びしながら、
リディア「う~ん、潮風が気持ちいいわね~」
フェレル「そうだな」
海上都市ヴロール―ペシィミズム地方最大にして唯一の湾、『レリーフ湾』の沖合に造られた都市。湾の上に家が建てられており、家の地下には海をうまく生簀のようにし、家で釣り上げた魚で自給自足の生活をしている。また、海水浴が楽しめるリゾート地としても有名であり、取れたての海鮮食材を使った料理は定評がある。
リディア「さあ~てと、まずは・・・・・・どうすればいいんだっけ?」
フェレル「おまえなあ・・・・・・支部長に言われただろ。まずは、この街のどこかにあるジャスティス支部に行くんだよ!」
リディア左手をグーにして、それを右手にポンッ!と乗せながら、
リディア「(思い出したように)ああ~そうだったわね~」
フェレル「・・・・・・ったく、しっかりしろよ~まだまだ子供だな、ホントに」
リディア「わ、悪かったわね子供で!・・・・・・じゃあ、支部を探しに行くわよ、もう!」
フェレル「はいはい」
リディアとフェレル、ヴロールの街の中にあるジャスティス支部を探しに行く。
※イベント終了。操作が可能になる。
■海上都市ヴロール 中央広場<シーンNo.3-2>
中央広場へと来た二人。
そこで、人々が立ち見でたくさん集まっているのを目撃する。
人々は、あらかじめセッティングされているステージを見ており、今か今かと待ちきれない様子。
リディア「あれ?人が集まってる・・・」
フェレル「ステージができているから、何かやるんじゃないのか?」
このステージを仕切る、ナレーターらしき男がステージの壇上へとあがる。
ナレーター「さぁ~皆さん!ヴロール一の美しきマドンナ!!ルリ・リヒトによる華麗で幻想的なダンス・パフォーマンスをもうまもなく開催いたします!はい、もうすぐ、ですからね!皆さん是非お集まりくださ~い!見ないとソンしますよ~!!」
ワァ~ッ!と、広がる民衆の声。
その民衆のテンションにのせられるかのようにリディアも興奮する。
リディア「ダンス・パフォーマンスだって!?フェイ、行ってみようよ!!」
フェレル「あのなぁ・・・俺たちにはジャスティス支部を訪ねてレイナの手がかりを探すという重大な目的があって、これは二の次だろ・・・・・・っておい!!」
フェレルの言葉に耳を傾けずにリディアは、先に会場の方へと行く。
フェレル「(呆れたように)・・・ったく、しょうがねぇ女王様だな・・・・・・」
フェレル、リディアを追いかけ、ステージ会場へ。
※このままイベントが続く。
■海上都市ヴロール 中央広場 ステージ会場<シーンNo.3-3>
リディア「ああ、もう!!見えにくいわねぇ~」
リディア、ステージ会場にたくさん集まっている街の人々の後ろの方で、背伸びしたり、ジャンプしたりと意地でも見ようとしている。
フェレル「リディア、落ち着けって」
フェレルがリディアの下へと来る。
リディア「だって、よく見えないんだもん・・・」
フェレル「しょうがないだろ・・・もう人でいっぱいなんだから。ここから見るしかないさ」
リディア「ちぇ~・・・・・・」
リディア、諦めてここから見ることにする。
ナレーターがステージの壇上にまた現れる。
ナレーター「それでは長らくお待たせいたしました!ルリ・リヒトによるダンス・パフォーマンス、『幻想曲(ファンタジア)』を開演いたします!皆さん、心ゆくまでお楽しみください!!」
ワァ~と!拍手と歓声が会場全体に沸きあがる。
リディア「いよいよね・・・・・・」
リディア、遠くからステージを見つめる。
※イベントはそのまま続き、アニメーションムービーへ。
〈アニメーションムービーパート2「幻想曲(ファンタジア)」〉<シーンNo.3-4>
ステージの両端にあるドライアイスが煙のように噴き出す。
噴き出したあと、ステージからルリ・リヒトと思われる人物がステージ上へと徐々に表れる。
そして、ステージの壇上に上がったとき、彼女の姿をはっきりと見せるためにライトアップされる。
それが踊り始めの合図だった。ステージにドライアイスの煙が漂う中、彼女は優雅に踊り始める。
ステージの雰囲気と幻想的な曲がマッチして、人々はただただ、彼女の踊りに圧倒され、黙ってしまう。
それは後ろの方にいたリディアたちも例外ではなかった。リディアたちも彼女の舞うステージと演出に感動する。
リディア「・・・す、すごい・・・・・・それに、なんて神秘的なんだろう」
フェレル「あ、ああ・・・・・・」
神秘的な世界観に引き込まれつつも、彼女のステージは終わった。
終わった瞬間、人々の歓声と拍手は鳴り響き、それがいつまでも続いていた。
〈アニメーションムービーパート2「幻想曲(ファンタジア)」:終わり〉
※このまま次のイベントに続く。
■海上都市ヴロール 中央広場 ステージ会場(終了後)<シーンNo.3-5>
リディア、すでに終わったステージを見つめている。
街の人々はステージ会場から離れ、それぞれの生活へと戻っていく。
リディア「すごかったわね・・・・・・世界には、こんな感動を与えてくれる人もいるんだ・・・・・・」
フェレル「ああ。色んな人が自分の持ち味を活かして、人のために何かをしているんだろうな。ジャスティスで活動することも、それに当たるんだろうな」
リディア「人のために、か・・・・・・あたしも、色々な人に元気を与える人になれたらいいな・・・・・・」
二人はただただ、先ほどのステージの余韻に浸たる。
しかし、リディアがあることに気づきだす。
リディア「ねぇフェイ、あたしたち何か忘れてない?」
フェレル「は?何を忘れてって・・・・・・」
二人はここに来た最初の目的を思い出す。
リディア・フェレル「(二人同時に)あーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
リディア「ジャ、ジャスティス支部に行くんだったけ!?」
フェレル「そうだよ!あ~くそ、俺としたことが!・・・・・・お前が勝手に行くからだろーっ!!」
怒りの矛先をリディアにぶつけるフェレル。
リディア「なっ、なによ!!フェレルだって見てたくせに!」
フェレル「俺はおまえが人の話を聞かずに行くから、しょうがなくなぁ~」
リディア「あ、あたしが悪いっていうの!?」
フェレル「そうだよ!おまえしかいないだろ!!」
リディア「なにを~」
お互いの顔を見ながら、にらみ合う二人。
しかし、周囲に街の人々が自分たちの喧嘩を見ていることに気づき、二人は恥ずかしくなる。
フェレル、赤面しながら、
フェレル「・・・・・・ま、まあ、ここで立ち止まっても何も始まらないしな・・・・・・」
リディアも赤面しながら、
リディア「・・・・・・そ、そうね・・・・・・冷静になろっか・・・・・・」
そして、二人は落ち着きをとりもどし、
作品名:OATH~未来につなぐシルベ~第一章(第3話・第4話) 作家名:永山あゆむ