逢いたい
あなた
鏡はあなたを写してはくれなかった
鏡の底にあなたがいるように思えて
覗き込むように見たのだが
私の顔があるだけであった
私は今まで私と話を交わしていたのだろうかと思う
鏡を見ながら
その中に見えていたのはあなたではなかったのか
あなたを見た事もない事実
いやいや私はあなたを知っているはずだ
ペンを取ればあなたの顔が描けるのだから
空を見て
目を閉じてみればあなたは見える
見慣れた風景の中に
見なれたあなたは
当たり前のように笑顔を見せてくれる
それはスクリーンに映し出された映像のように
平面でしか無いのだが・・・
あなたの歩く姿は
この鏡に向かっているように見えている