俺とみこの日常 5話
あった!1-3!まさか3階にあったとは。
教室に入ると、知らない人がいっぱいいる。…当たり前だが。
とりあえず、そーくんの席を見つけて座る。
すると、太郎が、
「宿題、多かったよね〜」
と話しかけてきた。
とりあえず、
「確かに多かった」
と言っておく。すると、
「終わった?」
と聞いてきた。
「もちろん」
大変だったけど、終わった旨を伝える。
すると、健太くんも来て、
「今年のクリスマスはどうする?」
と聞いてきた。
ん?
「どうする?ってどういう事?」
「え?去年は部活メンバー(現1年のみ)みんなでクリスマスパーティーをやったじゃん」
へえ、そうなんだ。いいなぁ。
「今年もやろうよ、みんなで!!」
「よし、じゃあみんなに参加出来るか聞いてみよう」
そう言って健太くんがケータイでメールを送り始めた。
その姿に疑問を持ったあたしは、
「教室にいる部活メンバーには直接話した方が早いだろ?」
と聞いてみた。
すると、健太くんが、
「は?何言ってんだ、お前。1-3の部活メンバーは俺とお前と太郎だけじゃん」
と言ってきた。
あれ?みんな同じクラスじゃなかったんだ。
ちなみに、この鈴丘高では、休み時間のみケータイの使用が許可されている。
「あ、そうだ。みこちゃんにも送らないと」
カチッ(送信ボタンを押した音)
シーン(つかの間の静寂)
♪〜
あ。(サイレント)マナーモードにするの忘れてた。
「…なんで蒼大がみこちゃんのケータイを持ってるの?」
太郎から、もっともな質問が来る。
でも、真面目に答えることは出来ない。
「………ま、間違えたんだろ、多分」
健太くんが疑いの目で見てくる。
「まさかみこちゃんのケータイを盗った、とかじゃないよな」
「んなわけないじゃん」
健太くんはなぜか納得していない。
「じゃ、お前自分のケータイは?」
「もちろん、そー……みこが間違えて持っていってる…はず」
「なに?今の『そー』って?」
マズイ。これはマズイ。
「え?俺今そんなこと言ったか?」
2人とも頷く。
これは本当にマズイ。
「…まさかみこちゃんって事はないよな?」
「ん、んなわけないに決まってんじゃん?だって見た目が…」
「いや、みこちゃんだけなんだよね、蒼大の事『そーくん』って呼ぶの」
「………」
「それに、蒼大ならツッコミいれるはずのところをスルーしてるし」
そーくん、ごめん。ばれた。
「………なんでわかったの?」
「まさかホントにそうだったとは…」
「適当に言ったんかい!!」
健太くんのまさかの一言に、太郎がツッコミを入れる。
けど、あんまり切れが良くない。
「いや、そうだったら面白いなって」
「面白いけれども!」
うん、確かに面白い。
「んで?何があったの?」
「えっとね、そーくんのお母さんが送ってきた薬を飲んだらこうなったんだよね」
「ああ、なるほど…、蒼大の母ちゃんが原因か…」
「また薬シリーズか…」
二人揃ってそんなこと言ってる。
「”シリーズ”って?」
「ああ、昔から結構送られてくるんだよね。変な薬」
「そうそう、足が遅くなる薬とか背が縮む薬。あと、視力がマサイ族並みになる薬とかもあったなぁ」
何それ、とても気になる。タンスとか探したら見つかるかな?
♪〜♪〜♪〜
朝のチャイムが鳴った。
「そろそろ席に戻らなくちゃ」
「そだな」
健太くんと太郎はそれぞれ自分の席に帰っていく。
作品名:俺とみこの日常 5話 作家名:ざぶ