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俺とみこの日常 5話

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「よし、大体集まったな」
今来てないのは、太郎だけだ。
来たら(太郎以外の)みんなでパイ投げと言う名の大歓迎をするというのに。
みんな、準備はバッチリだ。みんな既に右(左)手元にパイが2個づつある。
ちなみにここは健太家の庭だ。散らかってもそこまで問題はない。
「みんな〜遅れてごめ〜〜ん」
太郎がこちらに向かって来た。
みんなが太郎にバレないように、構えを取る。
こっちまであと5mというところで、高校生勢が一斉に投げる。それぞれ放たれたパイは、顔面や頭や胴体や股間、太郎のあらゆる部位に命中した。
「ぶべらっ!」
有名な悲鳴を上げて倒れ込む。
そして起き上がりながら、パイを叩き落とす。
叩き落としたと同時に、第2群を投げる。
今度は、胴体、股間の2箇所しか当たらなかった。
「健:ちっ!」
「いや、ちっ!じゃないでしょ!みんなでよってたかってパイ投げなんて!」
「俺:だって楽しいじゃん?」
「たのしくないよ!!」
俺たちがもうパイをもってないと判断したのか、こっちに寄ってくる。
………バカめ!!
「俺:今だ!!みこ!優美ちゃん!まりちゃん!」
「何っ!?」
それぞれ放たれたパイは、顔面、顔面(右側面)、顔面(左側面)にぶち当たる。
太郎がすぐにパイをはたき落とす。第2群が来る、と思ったからだろう。
太郎は、回避の構えをとっている。これでは当てることはできない!
くっ!仕方ない!
ガシッ!!
俺は太郎を羽交い締めにする。
「くっ!!蒼大!貴様!」
「俺:今だ!3人とも!こいつに止めをさせ!!」
「み:ダメ!そんな事したらそーくんに…」
「俺:いいんだ…俺の事なんか気にすんな!構わずやれ!」
「「「はい!!」」」
「優:せーーーーの!!!!!!!!!!!!!!」
その掛け声と同時にパイが放たれる。
1個は太郎の顔面に。1個は俺の顔面に。もう1個は健太にパスされた。
まずい!!
「俺:はっ!!」
咄嗟に太郎を離し、盾として利用する。
太郎は咄嗟に動く事が出来ず、顔面に2つヒットする。それと同時に前に倒れこむ。
「優:…ちっ」
あれ?俺に向かって投げたのってみこじゃないの?優美ちゃんは変わってるけどいい子だって思ってたのに!
それよりも!
今は健太に注意しないと!
奴は武器を、唯一残された武器を持っている!
「健:くたばれ蒼大ーー!!!!!!」
突きみたいなノリで、手にパイを持って俺にぶつける気だ!!
くっ、速い!これじゃ避ける事なんか…
「み:そーくん!」
みこが俺をかばう形で飛び出してきた。
「健:!!」
「俺:バカ!そんなことしたらお前がパイまみれに!!!」
「み:別に構わない!!」
「俺:健太!!止まれ!!!」
「健:くっ、駄目だ!!止まらない!!」
そんな!!
「み:よいしょ」
え?
みこが、『よいしょ』と取り出したもの。
それは太郎だった。
それを盾のように構えた。
「俺&健:えええええええええええええええ!!!!!!!!!!?????????????」
「み:さあ、どんと来い!!」
いや、どんと来い!じゃなくて、ええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!?????????????
ドスッ!!(健太の突きが、太郎の顔面に見事命中した音)
グチャ!(パイが飛び散る音)
バタン!(太郎が倒れこむ音)
「俺:………」
「健:………」
「み:はい!余興はここまで!ここからが本番!!」
「俺&健:いや待てぃ!!」
「み:え?何?」
「俺:お前、太郎…」
「み:太郎は今はどうでもいいの!」
「俺:ひでぇな!!」
「み:だってみんなもう始めてるよ?」
「健:うお!?いつから!!?」
「拓:羽交い絞め辺りから」
そうか、道理で他のみんなが会話に参加してこなかった訳だ。
「健:よし、じゃあ、…始めますか!!!」
「桜:もう始まってるけどね」
「健:いいんだよ!俺が誘ったんだから俺が始めたいの!!」
「拓:はいはい」
「健:それじゃあみなさん、乾杯!!」
「皆:かんぱーーい!!」
「太:………あの、僕は?」
太郎の声は小さく、誰にも届かなかった…。
作品名:俺とみこの日常 5話 作家名:ざぶ