2006-2010 詩集Ⅱ『そら』
9.
目を開けると灰色の部屋
その先に息が抜けていく
ゆううつだと 口にすることは容易くて
肘をついた机の上
時を削る時計の音
四角い板に 並べられていく無数の文字
刷り込まれたその白が
役に立つのは何時の日か
(けれど後悔する日もまた遠く)
無意識に探す 今日と明日の違い
昨日見つからなかったものが
見つけられる気はしないけれど
胸をついた昔の言葉
夢を削る夢幻の道
窓の外で 空は簡単に色を失って
目を閉じると闇色の部屋
その先に声がとけていく
『May 01, 2008 -- メランコリア』
作品名:2006-2010 詩集Ⅱ『そら』 作家名:篠宮あさと