2006-2010 詩集Ⅱ『そら』
20.
夜の帳が下りる頃
黄色の月が空を滑る
私は歩く 小さな灯を携えて
一寸先も照らせない その幽かな光を
やっと見つけた闇の中
その鳥が青くなくとも
暗くても決して淋しくは無く
足取りは弱くとも心だけは見失わず
静かな森の中
迷うことは怖れない
視界は澄んで
いつしか 空は白み来る
その瞬間
私の鳥は希望の色を纏うだろう
この森のどこかで
この深い森のどこかで
たとえ最後まで
掴まえることが出来なくても
『March 27, 2007 -- L'oiseau Bleu』
作品名:2006-2010 詩集Ⅱ『そら』 作家名:篠宮あさと