2006-2010 詩集Ⅰ『あさ』
26.
夜空を見上げると、
一生かかってもかぞえ切れない数の星が瞬いている。
そこで
ふとよぎるのは、
広い銀河の中の、
太陽系の中の、
地球という惑星の、
ある島国にいる私達。
あなたも思うだろうか
世界は広く、自分はちっぽけな存在だと。
今ここで何をしても、世界に影響は与えられないと。
その時は一度目を閉じてみるといい。
深く息を吸って、
心が落ち着いたら、
ゆっくり目をあけて。
見えた?
今 目に映るのが
君が見ているのが
君の暮らす世界。
君のいる世界。
それ意外は関係ない。
いくら手を伸ばしたって、
遠い星々に手が届く訳じゃない。
いくら耳を澄ましたって、
遥かな旋律が聞こえる訳じゃない。
君の世界は、
君が見ている場所。
君の手の届く場所。
音の聞こえる場所。
気配を感じる場所。
たったそれだけ。
世界は広くなんてない
自分はちっぽけなんかじゃない
まずは、自分の手の届く場所から、キミの世界を創っていこう。
それから、もし余裕ができたなら…
遠く離れた星を拾って
遥か彼方の音を聴いて
少しずつ、少しずつ。
君に必要なだけの、
君だけの世界。
『January 24, 2006 -- あなたという世界』
作品名:2006-2010 詩集Ⅰ『あさ』 作家名:篠宮あさと