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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「初体験・香奈枝編」 第二話

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第二話

香奈枝たちレストランのウェイトレスたちは会社から社宅として借りてもらっているアパートに暮らしていた。一部屋二人の使用だったが週末とか彼が居る子とかは気を遣って交代で留守にしたりしていた。
雄介は何も悪びれることもなく香奈枝の誘いに乗って待ち合わせをして梅田に向かっていた。
「こんなところを彼女に見られたら大変ね!雄介くん・・・」
「あっ、はい・・・」
「なんて言い訳するの?」
「お姉さんと一緒って言います」
「なるほど!それはいい、ハハハ・・・お姉さんか、そうよね5歳上だものね」
「冗談です・・・すみません」
「いいのよ、気にしなくて。お姉さんで構わないから・・・でも私は弟って思ってないから」
「そうですか・・・じゃあどんな感じなんですか?」
「そうね・・・ご飯食べてからにしましょう。もう直ぐ着くから」
「はい」

香奈枝は以前彼と行った事のある大阪市内が見渡せる展望レストランに雄介を案内した。生まれて初めて入る高級レストランに目を奪われていた。
「こんなところに来るのは初めてです。すごいですね・・・夜景が綺麗だし、ロマンチックです」
「気に入ってくれて嬉しいわ。お金の事は心配しないでいいのよ。私が全部払うから」
「そんな、申し訳ないです」
「高校生が何言っているのよ、遠慮しないで好きなもの頼んでね」
「よく解りませんから香奈枝さんにお任せします」
「じゃあ、コース料理にしましょう」

「ここはね初めて好きなった彼と来たところなの。九州から出てきて何も知らなかった私に初めて優しくしてくれた人だったの」
「いい思い出だったんですね」
「そうよ、初めての人だったしね」
「初めて?」
「解るでしょ?」
「ええ・・・そうですか」
雄介は少し顔が赤くなっていた。佳恵とのことをチラッと思い出したからだ。
「あら、赤い顔をして!ひょっとして雄介くんまだ・・・経験ないの?」
「そんな事聞かないで下さい・・・」
「そうだったの・・・そうよね、私って女なのにこんな話なんかして、いけないわよね?」
「そうじゃないですけど、よく解りませんから答えられないって思うから・・・」
「よく解りたいって思わないの?」
「どういうことですか?」
「そうね、女性のこともっと知りたいって思わないのかなあって言う意味なの」
「知りたいですよそれは、一応男ですからね」
「そう来なくちゃ、それでこそ私の雄介くんよ」
「私のですか?」
「そう、今からだけは私の雄介くんにするの」
「そんな事聞いてませんよ・・・」
「私が決めたから・・・恥かかせないでお願い・・・雄介くんが好きになったの。本当よ、彼女が居ても構わない。今日だけでいいから傍に居て・・・」
「そんなあ・・・困りますよ、彼女に怒られる」
「そういうところも好きよ。あなたのような男性と巡り合えなかったからとっても新鮮なの。男なんてみんな同じって考えていたけどあなたは違ってた。悪い女に引っかかったと諦めて、今日だけ言うこと聞いて・・・」
「香奈枝さん、今日だけで気持ちが収まるのですか?明日からもう誘われるようなことはないのですね?」
「うん、約束する」
「なら・・・いいです」
「雄介くん・・・ウソでいいの・・・私のことも好きって言って。今じゃなくていいから、あとで・・・」
「あとで?」
「そう、あとで・・・」

香奈枝はある決心をしていた。今夜雄介に気持ちが強く傾いていることには理由があった。

食事が済んで午後8時ごろに梅田から戻ってきて京橋駅の近くにあった香奈枝のアパートに雄介と来た。
「ここが私の住んでいるアパートなの。誰も居ないから部屋に来て」
「はい」
一階の奥の部屋の鍵を開けて二人は中に入った。綺麗に整頓された部屋には奥にあったベッドだけが場所をとっていた。
「お風呂入れてくるね。座って待ってて。テレビつけて観てていいわよ」
返事することもなくテレビは点けなかった。風呂場から戻ってきた香奈枝が雄介と引っ付くように隣に座った。
雄介はうつむいていた。これから何が起こるのか想像できない訳ではなかったが、あのキャンプの夜に佳恵の中に入れなかった恥ずかしい自分の記憶が甦ってきたからだ。
「どうしたの?テレビ観ないの?」
「うん・・・香奈枝さん、あのう俺・・・」
「なに?恥ずかしくないから言ってご覧」
「上手く出来ないかも知れない・・・」
「そんな事気にしてたの?なあ~んだ、全然構わないのよ。こうして傍に居てくれて私の雄介くんでいてくれるんだから」
「本当ですか?」
「うん、本心よ。あなたに十分満足させて欲しいなんて思ってないから。でも、私の望むことはしてね・・・お願い」
「はい・・・」
「可愛いのね、はい・・・か」
「おかしいですか?」
「ううん、そんな事ないよ。もっと自信持って!私は女よ、あなたがリードしてくれなきゃ・・・恥ずかしがらないで、ね?」
「教えてください・・・」
「もう!甘えて・・・でも今日は私が誘ったから、仕方ないね。大丈夫よ、任せて・・・お風呂に入りましょう。先に入ってきて、これバスタオル」
「うん・・・」
「ちゃんと洗うのよ」
「解ってるよ」
「ごめん・・・お母さんみたいになってるわよね」

香奈枝は雄介が可愛くて仕方なかった。脱衣場で裸になった後姿を見てその色の白さと綺麗な肌がいっそう今までの男とは違う存在感を与えていた。
交代して裸になった香奈枝の後姿は雄介にとって大人の色気に初めて気付かされた。ベッドに入って布団を掛けて裸で横になって香奈枝を待つ時間がものすごく長く感じられた。
「お待たせ」そう言って隣に寝た香奈枝はすでに何も着けてはいなかった。
ドクンドクンと脈打つ心臓が今にも口から飛び出しそうになっていた。香奈枝は雄介の胸に自分の右手を乗せてゆっくりと撫で始めた。
「ねえ、雄介くん、さっき言ったでしょ?好きって言って・・・」
「はい・・・好きです」
「そんな言い方じゃイヤ!」
「好きです、香奈枝さん」
「うん、私も大好き・・・キスして」

第三話につづく