信長、蘇生せよ、この悲観の中に
「そのサンカって、何なの?」
急な話しの展開に、奈美が付いて行けない。
「奈美姫ほどの御仁が、サンカを知らぬか、サンカとはのう、随分昔に大陸から渡って来た民族で、金銀銅鉄の鉱脈を探し当てて、鋳造する高度な技術を持っていた山の民じゃ」
「へえ、それでサンカとどういう関係があるの?」
奈美が興味のままに、疑問をぶつけて来る。
信長は、今度はまじめに、四百年前の世間事情について説明し始める。
「サンカは、元は山の民、しかしそこからどんどんと変わって行き、時代とともに全国へ散らばって行ったぞ、そして地域地域の親方に仕える忍者となった、今で言う情報部員だな、光秀も秀吉も、それに家康も、みんなこの忍者なるサンカと深く関わっておってのう」
「へえ、そうなんだ」と、奈美は興味津々。
作品名:信長、蘇生せよ、この悲観の中に 作家名:鮎風 遊